2015 Fiscal Year Annual Research Report
アディポネクチン増加作用により抗動脈硬化を示す新規遺伝子発現制御薬の開発
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25461092
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
常見 明子 日本大学, 医学部, 研究員 (90646035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 高浩 日本大学, 医学部, 兼任講師 (40386008)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アディポネクチン / PIポリアミド |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究において、アディポネクチン(APN PI ポリアミド)を増加させるPIポリアミドは転写因子であるAP2βの結合部位にデザインした。この APN PI ポリアミドを3T3L1 adipocyteの培地に添加して培養すると、アディポネクチンの培地中への分泌を増加させた。 このPIポリアミドを糖尿病モデルマウスであるdb/dbマウスの尾静脈から1mg/kg BWで一日置きに6週間投与を行い、実験終了1週間前にインスリン負荷試験( ITT) およびグルコース負荷試験( GTT )を行なった。ITTではインスリン感受性、GTTにおいては血中グルコースの上昇を有意に抑制したが、実験終了時における体重差、血漿中のAPN値、インスリン値、グルコース値においては有意な差は認められなかった。しかし肝臓においてはミスマッチPIポリアミドを投与したコントロール群と比較して脂肪肝を改善し、肝臓でのAMPKの発現を検討するとAPN PI ポリアミド群ではp-AMPK/AMPKの発現が有意に増加していた。 この結果をうけて最終年度はdb/dbマウスの尾静脈から2mg/kg BW でAPN PI ポリアミドを前回と同様に投与した。ITTおよびGTTでは前回の実験と同様な結果が得られた。実験終了時に両群においては、体重の差は認められなかったが、精巣脂肪重量と肝臓重量はAPN PI ポリアミド群で有意に減少しており、精巣脂肪のAPN mRNAと血漿中のAPN値はAPN PI ポリアミド群で有意に増加した。また血漿中インスリン値はコントロール群に比べて有意に増加しており、APNの発現増加により膵β細胞の疲弊を減少させたと考えられた。 これらの結果より、APN PIポリアミドは糖尿病マウスにおいてAPNの発現を増加し、糖尿病を改善させる事が確認された。
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