2014 Fiscal Year Research-status Report
PET/CT検査による急性大動脈症候群における大動脈壁内炎症所見の解明
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25461097
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
加地 修一郎 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (80330554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 道雄 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, その他 (00216558)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 急性大動脈症候群 / 大動脈解離 / 偽腔閉塞型大動脈解離 / 偽腔開存型大動脈解離 / PET-CT検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、急性大動脈症候群患者において、PET-CTを用いて、大動脈壁内の炎症細胞浸潤を示唆する18F-FDGの取り込みの程度を検討し、新たなリスクの層別化を確立することを目的としている。平成26年度は、平成25年度に引き続き、患者登録と急性期のPET-CT検査を施行した。現在までに41例の登録を完了した。内訳は偽腔開存型解離16例、偽腔閉塞型解離25例である。急性期のPET-CT検査では、当初の仮説どおり、偽腔開存型、偽腔閉塞型ともに大動脈壁内に18F-FDGの取り込みを認め、炎症細胞浸潤が示唆される所見と考えられた。これらの急性期の画像を解析した結果、偽腔開存型に比較して偽腔閉塞型解離のほうが大動脈壁内への18F-FDGの集積(SUVmax)が強かった。このことは、偽腔閉塞型解離と偽腔開存型解離では発症機序あるいは病態が異なっていることを示唆していると考えられた。今後は、登録症例の急性期PET-CT画像の所見と臨床経過を比較し予後因子を検討する予定である。ただし、現時点ではリスクの層別化を行うには症例数、経過観察期間が不足しているため、今後、症例登録を増やし、また十分な観察期間をとって検討を継続する予定である。 なお、平成26年度は14例の慢性期のPET-CT検査を施行した。その結果、全例において、急性期に認められた大動脈壁の取り込みは、消失あるいは改善していた。この所見は、急性大動脈症候群における大動脈壁内の炎症所見が、発症に伴った一過性のものであることを示唆していると考えられる。慢性期の所見についても、さらに症例を増やして検討を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例登録が順調に進んでおり、PET-CT検査も大きな問題なく施行できている。ただし、必要な解析をするには、症例数が不足しており、さらに症例数を増やしていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
急性大動脈症候群のリスクの層別化をするためには、症例登録を増やす必要がある。また慢性期のPET-CT検査を引き続き施行していく必要がある。
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Causes of Carryover |
当初、画像解析を施行するための画像解析ソフトを購入する予定であったが、登録症例数が解析には少ないために、次年度以降に解析する予定とした。そのため購入を見送ったため、次年度に繰り越す予定とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に画像解析ソフトを購入して、解析を進めていく計画とした。
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