2015 Fiscal Year Annual Research Report
低出力体外衝撃波治療による抗炎症作用の機序解明:急性心筋梗塞モデルにおける検討
Project/Area Number |
25461099
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 健太 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 宏明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00235681)
川上 和義 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10253973)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低出力体外衝撃波治療 / 血管新生 / 急性心筋梗塞 / 左室リモデリング / 抗炎症作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
私達は、低出力の衝撃波を用いた新しい血管新生療法(「低出力体外衝撃波治療」)を開発し、重症狭心症患者や下肢末梢動脈疾患患者において、有効性・安全性を報告してきた。さらに、ブタ急性心筋梗塞モデルにおいて、心筋梗塞後急性期に低出力体外衝撃波を梗塞巣周囲に照射すると、慢性期の左室リモデリング(心不全進行)が抑制されることを報告してきた。しかし、その効果は、血管新生のみでは説明し切れず、有効性の詳細なメカニズムは未だ十分には解明されていない。そこで、本研究では、低出力体外衝撃波治療の抗炎症作用に着目して、左室リモデリング抑制効果の詳細な機序を解明することを目的とした。 ラット急性心筋梗塞モデルを作成し、無作為に衝撃波治療群と対照群に振り分けた。治療群では、心筋梗塞翌日から隔日で3回、衝撃波治療をおこなった。週1回心エコー検査をおこない心機能を評価したところ、衝撃波治療群では、対照群に比して、慢性期の左室リモデリングが軽減していることを確認した。さらに、衝撃波治療群では、対照群に比して、急性期の炎症細胞浸潤が抑制されていることを明らかにした。衝撃波治療による抗炎症作用の詳細な機序を検討するため、各種サイトカイン・ケモカインの動態、DAMPsやHMGB-1の役割について検討を進めている。 これらの研究成果は、急性心筋梗塞患者に対する低出力体外衝撃波治療の開発を進める上で、有用と考えられる。今後、臨床応用へ発展させる。
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Research Products
(6 results)