2014 Fiscal Year Research-status Report
心臓微小低酸素領域における遺伝子発現・血管新生の3次元解析を応用した治療法の開発
Project/Area Number |
25461104
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 光一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20567010)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | アデノ関連ウイルス / Epiregulin |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に作成したEpiregulinプラスミドを使ってAAV9-Epiregulinウイルスベクターをクローニングにより作成した。すでにAAV9-LacZによるLacZ発現は確認してあったが、AAV9-Wnt11によるWnt11の発現を確認した。in vitroではWnt11 plasmidでも培養細胞のAAV9-Wnt11の感染によってもWestern blotによりWnt11蛋白の発現は確認された。続いてAAV9-Wnt11のマウスへの静脈内投与による蛋白発現を確認することを試みた。抗体の感受性によるものが大きいと思われるが通常動物実験で利用される投与量で、AAV9-LacZで強い発現を認めた量のAAV9-Wnt11をマウスに投与した場合、Western blotで蛋白発現を確認することはできなかった。ただし、その5倍量で投与した場合は蛋白発現を確認することが可能であった。通常量の静脈内投与でもWnt11が発現していることを確認するためにWnt11のmRNAをRT-PCRにて評価した。RNAについては通常の投与量においてWnt11が十分に発現していることが確認された。現在マウス投与に必要なAAV9-LacZおよびAAV9-Wnt11を大量に作成し、精製を進めている。また心筋梗塞モデルにこれらのウイルスを投与することによる治療効果を調べるが、心筋梗塞での炎症性細胞の評価、心エコーの確認、アポトーシスの評価などの項目について一通りの確認し、適切に評価できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予定通り、マウスの実験を行うのに十分な量のウイルスベクターを作成している。AAV9はキットを利用した精製が不可能なため超遠心を利用して大量作成を進めることができている。また心筋梗塞で様々な評価をするためのPreliminaryな実験も行うことができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後マウスの心筋梗塞モデルでの治療効果を調べていく。AAV9ベクターを静脈内投与し発現が十分認められるまで1週ほど待ち、その状態で心筋梗塞を誘導して治療効果が確認できるか調べる。生存率の改善が最大の治療効果と考えて50匹程度を使って生存率の改善の有無を調べる。その上で、組織学的に効果のメカニズムを解明していくことになる。
|
Causes of Carryover |
現在本実験をするためのウイルスベクターの大量生産を進めている。予定の物品の購入によりその準備は順調に進められている。しかし、データがまだ出ていないため当初予定していた成果発表の旅費について未使用額が生じたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
これから始められる治療効果を調べる実験を各種学会にて報告していくこととなる。 また本実験において治療効果の理由を調べるため各種抗体の購入などが多く必要となると考えている。
|