2015 Fiscal Year Research-status Report
心臓微小低酸素領域における遺伝子発現・血管新生の3次元解析を応用した治療法の開発
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25461104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 光一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20567010)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アデノ関連ウイルス / Epiregulin |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に作成したAAV9-EpiregulinとAAV9-LacZを利用した実験を行った。心筋梗塞作成前にあらかじめAAV9ウイルスを予備実験として行った発現実験の結果をもとに静脈内投与し、発現が確認できるタイミングでマウスに心筋梗塞を作成した。続いて心エコーを経時的に行いながら2ヶ月間生存に差がないか確認した。現時点ではEpiregulin投与による生存に関する治療効果が確認できていない。そのため治療のためのAAV9の投与量を調整している。投与量を比較的少なく心筋細胞での発現が30%程度の量からほとんどすべての心筋細胞で発現が確認されるウイルス量の5倍程度の量まで投与することによる生存曲線への影響を評価する予定となっている。もし生存に対する治療効果が最終的に認められないときも、心エコーでの詳細な比較、また経過中と最終的に安楽死させた心筋組織での炎症やApoptosis、繊維化などを比較検討する予定である。上記の容量による治療効果を比較する実験のため当初必要と予測されたAAV9ウイルス量では不足する事態になり、現在ウイルスの大量作成を繰り返している。また心筋梗塞によって一般的には3割から4割のマウスが数週の間に死に至るが、負荷を小さくした場合、心筋梗塞を大きく作成して負荷を大きくした場合でも治療効果の検出に差が出る可能性もあり同時に検討が必要になることを予測している。以上の実験のために約200匹の心筋梗塞マウスとそれに必要なAAV9ウイルスの準備が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定の実験は進められているが、治療効果の確認が難しい状況にある。適切な実験条件を検討することは実験の基本であり現在検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
治療効果を確認することのできる条件設定をこのまま継続する。そのうえで心エコーによる機能評価、免疫組織染色やRNA発現の比較による治療効果発現のメカニズムの探索などを進めていく。
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Causes of Carryover |
現時点ではまだ当初計画していた学会での発表を行うデータがそろっていない。また動物実験での条件設定をしている段階であるため特殊な抗体を利用するような必要もまだないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
治療効果が確認された後は特殊免疫染色や細胞を使った確認実験などが進められるため経費の必要額が上がると予測している。
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