2014 Fiscal Year Research-status Report
Hsp70によるLQT2由来変異HERG蛋白成熟化の二重品質管理機構と治療応用
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25461109
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
李 佩俐 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40464292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 信人 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50620316)
白吉 安昭 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90249946)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | histone deacetylase / hERG / acetylation / ubiquitination / mutation / LQT2 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度の進展 1.HDAC6が野生型と変異型hERGチャンネル蛋白の機能に及ぼす効果:野生型と変異型 (G601S とR752W) hERGをHEK293細胞に発現させ、stable line を樹立した。これを用いてsiRNA HDAC6を導入24時間後にpatch clamp法でhERG電流を測定した。HDAC6の Knockdownは野生型と変異型hERG(G601S とR752W)電流を増加させた。HDAC6は野生型および変異hERG (G601S とR752W)の未熟型蛋白のみと結合することを免疫沈降法で示した。レーザー顕微鏡を用いてhERG蛋白の細胞内局在を検討したところ、HDAC6 siRNAは小胞体と細胞膜での変異hERG蛋白を増加させた。一方HDAC6の強制発現はhERG蛋白の発現を抑制した。 2.HDAC inhibitor 並びにHDAC6 のknockdownがhERG mRNAに及ぼす効果:HDAC pan-inhibitor Trichostatin A (TSA) とsiRNA HDAC6 のhERG 蛋白への影響がhERG mRNA量の変化をともなうかか否かに関してreal-time PCRを用いて検討した。TSA処理は野生型と変異型hERG (G601S, R752W) mRNAを有意に増加させたが、一方siRNA HDAC6はhERG mRNAに影響を及ぼさないことが判明した。以上からHDAC6のhERG蛋白量への影響は翻訳後修飾を介する効果であると示した。HDAC pan-inhibitor のhERG蛋白への影響は翻訳と翻訳後両方の作用を介するものであると考えられた。 3.HDAC6が hERG蛋白質のacetylationに及ぼす影響:HEK293細胞にhERGとsiRNA HDAC6をco-transfectionし、48時間後に、免疫沈降とウエスタンブロット法を用いてhERG蛋白のacetylation化を検証した。HDAC6のknockdownはhERG蛋白のacetylationレベルを増強した。一方HDAC6とhERG共発現はhERG蛋白のacetylationレベルを抑制した。以上、HDAC6はhERG蛋白のpost transcriptional modificationとりわけacetylationを介してhERG蛋白の安定化に関与することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2013年度HDAC inhibitor とHDAC6 のknockdown は野生型と変異型hERG蛋白発現を増加させる効果を見出したが、hERGチャンネルの機能およびそのmechanismは未だ不明である。 本年度HDAC6のknockdownは変異型hERG蛋白発現とチャンネル機能を増加させたことも確認できたことから、HDAC6 は変異hERGに由来するLQT2の新たな治療に繋がる可能性があるとことが示唆できた。今回の研究からHDACはpost-translational modificationを介すると考えられた。これまでにHDACを介する心筋イオンチャンネル蛋白のpost translational modificationに関しての報告がなかった。そのmechanism を解明することは科学基礎研究にも有意である
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策 1.HDAC6 のhERG蛋白の安定性に関与するdomainを特定する: HDAC6はubiquitin binding domain(UBD)を持つために、そのdomainがHDAC6の機能に関連するかを検討する。そこでUBD欠損HDAC6を構築する。野生型HDAC6およびUBD欠損HDAC6それぞれとhERGをHEK293細胞に共発現し、hERG蛋白の発現とそのacetylation レベルをウエスタンブロット法や免疫沈降法で検証する。 2. hERG蛋白のacetylation化 とubiquitin化の相互の影響: Lysineはacetylation とubiquitination両方の標的になるために、hERG蛋白のacetylation とubiquitinationレベルがHDAC6によりどのように修飾されるかを検討する。HEK293細胞に野生型hERG plasmid とsiRNA HDAC6を導入し、一方で野生型hERGを導入したHEK293 細胞にHDAC6 特異inhibitor Tubastatin A(TBA)を24時間添加する。免疫沈降法とウエスタンブロット法でhERG蛋白のacetylationとubiquitinレベルを比較する。 3.HDAC6がマウス心筋細胞(HL-1)の内因性ERG蛋白およびチャネル機能に及ぼす効果: HL-1細胞にHDAC pan-inhibitor TSA, SAHA, scriptaid並びHDAC6特異inhibitor tubastatin A(TBA)をそれぞれ添加、投与24時間後にhERG蛋白の発現、IKr電流および活動電位をウエスタンブロット法、patch clamp法でそれぞれを検討する。又マウスHDAC6に対するsiRNA をHL-1細胞に導入し、ERG蛋白およびチャンネル機能を確認する。
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Causes of Carryover |
変異plasmidの作製予想以上に良く出来、後半の確認実験の量は減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫沈降とウエスタンブロットに使う抗体の購入、transfection の使う試薬、HL-1細胞を培養するFBSの購入。
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Research Products
(3 results)