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2014 Fiscal Year Research-status Report

動脈硬化の分子機序に基づいた動脈瘤形成機構の解明

Research Project

Project/Area Number 25461130
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

吉栖 正生  広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (20282626)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小久保 博樹  広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 講師 (10270480)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords大動脈瘤 / オステオプロテジェリン / エイコサペンタエン酸 / Jun Kinase
Outline of Annual Research Achievements

動脈硬化と密接に関連するオステオプロテジェリン/Opg-KOマウス・腹部大動脈瘤モデルを用いて、動脈硬化性疾患の治療薬であるエイコサペンタエン酸(EPA)の効果を検討することによって、動脈硬化の分子機序に基づいた腹部大動脈瘤形成の分子機構を明らかにすることを目的として研究を進めている。本年度は、Opg-KOマウスにおいて大動脈瘤を増悪させるシグナル系の同定と、EPAを食餌によってその増悪効果を減弱させるメカニズムの解明に取り組んでいる。
これまでに、塩化カルシウム局所投与によるOpg-KOマウス・腹部大動脈瘤病態モデルにおいて、一週間以降の回復期に、野生型マウスでは認められない弾性線維の崩壊がOpg KOマウスで認められることを明らかにしてきた。そこで、Opg 遺伝子欠失による動脈瘤形成の増悪効果のメカニズムを特定するため、Opgが結合することによって機能が阻害されることが知られる因子であるTrailの発現を確認したところ、Opg-KOマウスの血管平滑筋細胞において有為な蓄積が認められた。このTrailが、動脈瘤の進行に関連することが知られるJun Kinase (JNK)シグナル系が活性化、並びに、Mmp9などの中膜を構成するエラスチン線維を分解する酵素の発現誘導が見られるかどうかを検討したところ、Opg-KOマウスの血管平滑筋細胞において、リン酸化された活性化型JNK、並びにMmp9の発現上昇が認められた。血管平滑筋培養系においても、Trailの添加による活性化型JNKの上昇、Mmp9の発現上昇、JNK阻害剤添加によるMmp9の発現上昇の抑制が確認された。Opg 遺伝子欠失によるTrailの機能抑制が欠如することによって、動脈瘤形成が増悪する可能性が推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

大動脈瘤形成に関わる因子として新たにTrailを同定した。血管平滑筋培養系において、TrailがJNKシグナル経路を活性化してMmp9の発現上昇させることを見いだした。これにより、Opg 遺伝子欠失によるTrailの機能抑制が欠如することによって、動脈瘤形成が増悪する可能性を考えている。さらに、EPAがOpg 遺伝子欠失による大動脈形成の増悪効果を減弱させる効果のメカニズムについて検討を行い、EPA-受容体を介した効果である可能性を見いだした。現時点で、最初に掲げた目標を順調に達成できていると考えている。

Strategy for Future Research Activity

Opg欠損よる大動脈瘤形成に対する増悪効果のEPAの事前食餌による減弱効果が、EPA-受容体を介している可能性を見いだした。今後は、その分子機構を詳細に解析する。
まず、EPA-受容体活性化によるJNKシグナル経路の阻害効果について検討する。血管平滑筋培養系において、Trailの添加によってJNKを活性化が導かれるMAP kinase系の活性化状態を検討し、MAP kinase経路のどのリン酸化酵素が阻害されるか検討する。これまでの脂肪細胞培養系を用いた研究では、JNK並びにNF-kBの両経路の活性化に関わるTAK1-kinaseが阻害されることが示されているので、まずその可能性について検討する。
また、これまでの研究で、EPA-受容体活性化によるβ-arrestinの細胞内局在の変化によって、TAK1-kinaseが阻害される機序が示されている。β-arrestinの細胞内局在の変化やTAK1-kinaseとの直接結合など、JNK経路阻害に至る分子機序を明らかにする。
次に、EPA-受容体遺伝子欠損マウスを導入し、Opg-KOとの重複遺伝子欠損マウスを作製し、塩化カルシウム局所投与によるマウス・腹部大動脈瘤病態モデルを適応し、EPAの事前食餌による大動脈瘤形成に対する減弱効果が見られなくなるかどうか、詳細に検討する。in vivoにおいて、実際にEPA-受容体が大動脈瘤形成に対する減弱効果と関連するのかどうか示す必要がある。掛け合わせに時間がかかることから、この期間内に実験が終了する見込みはないが、準備を進める予定である。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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