2014 Fiscal Year Annual Research Report
N-Halfオステオポンチンを介した動脈硬化プラーク破裂機構の解明と新規治療戦略
Project/Area Number |
25461133
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
入田 純 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(病院教員) (00423442)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | N-Halfオステオポンチン / 動脈硬化 / プラーク破裂 / オステオポンチンノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】オステオポンチン(OPN)は細胞増殖、細胞浸潤やアポトーシスなどを誘導する炎症性サイトカインである。OPNは組織内でトロンビンによって切断され、N-Half OPNに変換される。N-Half OPN もまた生理活性を有し、強力な炎症作用を発揮する。動脈硬化プラークの破綻と血栓形成がアテローム血栓性脳梗塞の一因と考えられているがその機序は不明である。本研究ではOPN及びN-Half OPNがマウスプラーク破裂機構に関与しているかを検討した。 【方法】OPN-/-マウス、ApoE-/-マウス、OPN-/--APOE-/-マウス、WTマウスの右総頸動脈を結紮し、結紮4週間後にポリエチレンカフを装着した。カフ装着4日後に還流固定を行い、摘出した右総頚動脈を用いて組織学的に検討した。【成績】動脈硬化病巣面積はWTマウスに比べてApoE-/-マウスで有意に大きく、ApoE-/-マウスに比べてOPN-/-マウス、OPN-/--APOE-/-で減少していた。プラーク内出血及び破裂率はApoE-/-マウスと比較してOPN-/--APOE-/-マウスでは減少していた。血中コレステロール値は両群間で有意差は認めなかった。OPN-/--APOE-/-マウスの動脈硬化巣はAPOE-/-マウスの動脈硬化巣に比して、Oil red O染色陽性領域の減少を認め、DHE染色では酸化ストレスの抑制を認めた。APOE-/-マウスの動脈硬化巣においてはF4/80発現陽性マクロファージが認められ、OPN-/--APOE-/-マウスではその発現が抑制されていた。 【結論】免疫組織学的染色でAPOE-/-マウスの動脈硬化巣においてOPN及びN-Half OPNの発現が認められたことから、OPN及びN-Half OPNがAPOE-/-マウスの動脈硬化巣の形成ならびにプラークの不安定性に関与している可能性が考えられた。今後、N-Half OPN中和抗体を用いた動脈硬化プラーク破裂を抑制できるか検討する予定である。
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