2014 Fiscal Year Research-status Report
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25461150
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笠原 靖紀 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60343092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 寿彦 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20527882)
坂尾 誠一郎 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80431740)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺動静脈奇形 / 肺動静脈瘻 / インターベンション / コイル / 遺伝性出血性毛細血管拡張症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では肺動静脈瘻(以下PAVM)のカテーテル治療の評価と改良をおこなう。本年度は9症例10件にコイル塞栓術をおこない、過去にコイル塞栓術をおこなった症例とともにコイル塞栓術の効果を解析した。 次に肺血流シンチによる右左シャント率と呼吸困難の重症度および脳合併症の有無との関連について調べた。対象は当院で2009-2014年に肺動静脈瘻と診断し右左シャント率測定のため肺血流シンチを施行した32例(年齢53±16歳, 男2女30)の右左シャント率と、症候性の脳梗塞および脳膿瘍の有無、また初診時のmMRC scaleとの関連を検討した。経皮的動脈血酸素飽和度と右左シャント率は有意な負の相関を認めた(r=-0.63; p<0.001)。初診時のmMRC grade1以上は7名(grade1:2:3:4=6:1:0:0, 22%)に認めた. mMRC grade0群とgrade1以上群では右左シャント率に有意な差を認めた(8.2±1.8% vs 13.8±3.4%; p<0.001). 脳梗塞は2名、脳膿瘍を2名に認めた(計4名(13%)).脳合併症あり群となし群で右左シャント率に有意な差は認めなかった(10.9±3.5% vs 9.2±3.2%; p=0.34)。肺動静脈瘻患者において右左シャント率と呼吸困難の程度に関連は認めたが症候性の脳梗塞や脳膿瘍の発症とは関連を認めなかった。 またPAVM患者の遺伝子変異については、endoglin(ENG)、activin receptor-like kinase type I (ALK-1/ACVRL1)の遺伝子変異有無を調べ、ENG変異の陽性例を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要の通り、1)コイル塞栓術の臨床データの解析に関してはおおむね順調に進んでいる。2)遺伝子研究に関しては、既知の遺伝子変異ではない家族内発症例の症例がまだ集まっておらず、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もPAVM患者の血液検体や臨床データの集積をすすめていく。経カテーテル塞栓術前後で、4D-CT、肺動脈造影をおこない肺動静脈瘻の画像解析をおこなう。コイル塞栓術について合理的な塞栓方法(コイル本数やタイプなど)を検討し、新しいデバイスの有効性を調べる。PAVM 患者における既知遺伝子(endoglin、ALK-1、SMAD4)変異の有無を調べる。また未知原因遺伝子変異の有無を明らかにするために、PAVM 患者および対照群のSNPを網羅的に解析する。
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