2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木田 博 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80512988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 義一 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (90240895)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NSIP / Mx1 / 自己抗体 / 蛋白アレイ |
Research Abstract |
特発性非特異的間質性肺炎(INSIP)8例、特発性肺線維症(IPF)10例、自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)10例、サルコイドーシス(SAR)10例、正常人10例の血清自己抗体を、蛋白アレイ法を用いて網羅的に測定した。疾患毎に自己抗体スコア化を行い、自己抗体を序列化した結果、INSIP、IPF、aPAP、SARの疾患特異的自己抗体を特定した。INSIPは自己免疫的機序が関与する疾患であることが示唆されているが、疾患特異的な自己抗体の報告はない。最初にINSIP特異的自己抗体に着目し、蛋白アレイより抽出した51個のINSIP特異的自己抗体から抗myxovirus resistance protein-1 (Mx1)抗体に着目し、INSIP診断マーカーとしての有用性を検討した。免疫組織化学を用いた検討で、Mx1は正常肺においてクララ細胞、II型肺胞上皮細胞、肺胞マクロファージに発現していた。さらにINSIPやIPFにおいては過形成II型上皮細胞や気腔内集簇した肺胞マクロファージに高発現していた。Mx1全長配列とグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)融合蛋白発現ベクター(バキュロウイルス)を作成し、昆虫細胞(Sf9細胞)にトランスフェクトし、リコンビナント蛋白を精製した。リコンビナントMx1蛋白を用いた、抗Mx1抗体測定用Enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)法を開発した。INSIP 15例、IPF 20例を対象に、血清抗Mx1抗体をELISA法で測定し、INSIPとIPF鑑別診断を目的とした閾値を設定すると、特異度100%、感度26%で鑑別可能であった。開発したELISAを用いて特発性間質性肺炎103例、膠原病47例(内35例は間質性肺炎合併)、肺結核23例、細菌性肺炎15例、健常人10例の血清抗Mx1抗体を測定した。抗Mx1抗体高値はIPF以外の特発性間質性肺炎と間質性肺炎合併膠原病において認められた。抗Mx1抗体価と間質性肺炎の臨床経過との関連を調べるために大阪大学医学部附属病院に通院中の間質性肺炎患者コホート(現時点で100名弱)を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度では、INSIP特異的自己抗体として抗Mx1抗体を同定し、Mx1蛋白の局在を明らかにした。またMx1発現ベクターを作成し、リコンビナントMx1蛋白を精製し、抗Mx1抗体測定ELISAを開発した。特発性間質性肺炎、膠原病、肺結核、細菌性肺炎患者血清を収集し、血清抗Mx1抗体価を測定した。また血清抗Mx1抗体価と臨床経過の関係を明らかにするため、間質性肺炎患者コホート作成に着手した。以上、本研究は概ね当初計画どおり順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は 1) 抗Mx1抗体測定ELISAの改良する、2) 抗Mx1抗体のINSIP病態への関与を検討する、3) 抗Mx1抗体以外のINSIP特異的自己抗体について診断マーカーとしての有用性、病態への関与を検討する、4) IPF、サルコイドーシス、自己免疫性肺胞蛋白症特異的自己抗体を検討する、5) サルコイドーシス患者コホート作成に着手する、以上を課題とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請時の計画に沿って、実験・研究を進めた。平成25年度の研究成果を本年度、国内外の学会にて発表するため、旅費を繰り越している。また本年度においては、抗Mx1抗体以外のINSIP特異的自己抗体や他疾患(IPF、サルコイドーシス、自己免疫性肺胞蛋白症)特異的自己抗体について同様の検討を加速させるため、研究費がより必要となる。 平成25年度の研究成果を本年度、国内外の学会にて発表するための旅費、また本年度、抗Mx1抗体以外のINSIP特異的自己抗体や他疾患(IPF、サルコイドーシス、自己免疫性肺胞蛋白症)特異的自己抗体について同様の検討を行うための試薬購入費として使用する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Identification of anti-myxovirus resistance protein-1 autoantibody as a specific marker for idiopathic nonspecific interstitial pneumonia
Author(s)
Yoshimasa Hamano, Hiroshi Kida, Shoichi Ihara, Hiroyoshi Nishikawa, Toru Arai, Masaki Hirose, Lokesh P. Tripathi, Tetsuya Kimura, Yasuko Tada, Yukihiro Yano, Masahide Mori, Kenji Mizuguchi, Shimon Sakaguchi, Yoshikazu Inoue, Atsushi Kumanogoh
Organizer
ATS international conference 2014
Place of Presentation
San Diego, CA,U.S.A.
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