2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461157
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木田 博 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80512988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 義一 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (90240895)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | MX1 / IIPs / NSIP / IPF |
Outline of Annual Research Achievements |
抗MX1抗体陽性慢性線維化性IIPsの予後を明らかにするため、共同研究施設である近畿中央胸部疾患センターにて、2005~2009年にかけて登録された慢性線維化性IIPs連続155症例のコホートを検討した。同コホート中、IPF診断確定例は71例、IPF診断が確定しなかったnon-IPFは84例であった。Non-IPF84例を対象に抗MX1抗体、抗ARS抗体を測定した。抗MX1抗体陽性は20例、抗ARS抗体陽性例は5例、両抗体ともに陽性例は0例であった。抗ARS抗体陽性例を除いた79例について、抗MX1抗体陽性(20例)vs陰性(59例)で比較すると、抗MX1抗体陽性群が予後良好であったが、有意水準には達しなかった (p=0.190)。しかし、間質性肺炎の予後予測に用いられるgender-age-physiology (GAP) indexにより補正すると、抗MX1抗体陽性群は有意に予後良好であった (p=0.037)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慢性線維化性IIPsの中に存在する2つの疾患、IPF、INSIPの血清自己抗体を網羅的解析することにより、それぞれの疾患の血清学的profileの相違を明らかにした(平成25年度)。INSIP特異的自己抗体として、抗MX1抗体を発見し、ELISA法による血清抗MX1抗体測定法を確立した。大阪大学医学部附属病院通院中の慢性線維化性IIPsコホートを作成し、抗MX1抗体陽性群がINSIPと共通した画像特徴を有することを明らかにした(平成26年度)。近畿中央胸部疾患センターと共同でレトロスペクティブ研究を行い、抗MX1抗体陽性群が予後良好であることを明らかにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
抗MX1抗体や抗ARS抗体が間質性肺炎の分子病態にどのように関わるか明らかにする必要がある。臨床的には抗MX1抗体陽性者を個別に検討する必要がある。
|
Causes of Carryover |
共同研究によるレトロスペクティブ研究を追加して検討したため、研究期間が延長された。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究成果に関する国際学会発表や論文作成及び投稿費用に充てる。また、抗MX1抗体の分子病態学的機構を明らかにするための基礎研究にも充てる。
|
Research Products
(3 results)