2015 Fiscal Year Research-status Report
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25461161
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松瀬 厚人 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (60336154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 千鶴 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (50380978)
河野 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究員 (80136647)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 真菌 / 樹状細胞 / マクロライド |
Outline of Annual Research Achievements |
真菌をアレルゲンとして発症、増悪する真菌関連喘息を、抗真菌薬を使って治療するのではなく、樹状細胞を用いて、真菌に対する免疫反応を修飾することで、アレルギー反応を抑制することを目的として実験を行った。まず、昨年度作成した、ダニアレルゲンを用いず、真菌アレルゲンおよび真菌感染のみで成立するマウス真菌関連喘息の解析を行った。Aspergillus fumigatusからタンパクを分離生成し、水酸化アルミニウムと結合させた後、4~8週齢の雌性BALB/cマウスの腹腔内へ注射し、その2週間後にAspergillus fumigatus生菌を3日間経鼻感染させ、最終感染翌日に肺組織を評価したところ、好酸球浸潤と杯細胞過形成を伴うアレルギー性気道炎症の発症が確認された。ダニアレルゲン感作モデルと比較すると、好中球浸潤を伴うこと、杯細胞の過形成が強く、粘液分泌がより亢進していることが特徴であり、真菌関連喘息の臨床像をよく反映したモデルであると考えられた。 この真菌関連喘息モデルに対する新規治療法として、マクロライド系抗菌薬および真菌感作形質細胞用樹状細胞(plasmacytoid DC: pDC )ワクチンの効果を検討した。対象薬として使用したDexamethasone(Dex)に比較して両治療とも好中球性炎症と粘液産生亢進に対する効果が有意に高く、前者ではムチンコアタンパクであるMuc5acに対する効果が、後者ではステロイド抵抗性であるTh17への効果が主体と考えられた。さらに両者の併用をおこなうことにより更なる効果が認められた。これらはステロイドホルモンに比較して免疫抑制などの全身性副作用の少ない治療法の可能性を予感させる成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
真菌の感作、感染のみで成立するマウスモデルが確立でき、細胞ワクチンである、pDCの移入系も確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
真菌感作喘息マウス気道におけるextracellular DNA trapsの沈着状況を評価し、それに与える各種治療の効果を評価したい。
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Causes of Carryover |
原因菌種のバラエティーの確認とその疾患特異性の検討も本研究の目的となるが、いくつかの確認(菌株培養と菌種の同定、症例数の増加による菌種同定の精密度の上昇)を行う必要が生じた。 また、成果をより広く周知し精緻なものとするためにその専門領域の研究者とのディスカッションの機会を得るための学会参加、論文投稿を追加するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
いくつかの確認(菌株培養と菌種の同定、症例数の増加による菌種同定の精密度の上昇)を行う必要が生じた。 また、学会参加、論文投稿を追加するため。
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[Presentation] Therapeutic strategy for ABPA2015
Author(s)
Matsuse H
Organizer
The 25th Congress of Interasma Japan / North Asia
Place of Presentation
Hotel New Gland(Yokohama・Kanagawa)
Year and Date
2015-09-03 – 2015-09-04
Int'l Joint Research / Invited
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