2015 Fiscal Year Research-status Report
気管支喘息における非神経性コリン性炎症の関与と制御に関する研究
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25461163
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
東元 一晃 鹿児島大学, 医歯学域・医学部・歯学部附属病院, 講師 (60363628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 博雅 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30264039)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コリンアセチルトランスフェラーゼ / ムスカリン受容体 / 喘息マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
喘息治療におけるLAMA(長時間作用性ムスカリンM3受容体阻害薬)の効果について、気管支拡張作用以外に炎症の制御への関与を検討する目的で、喘息モデルマウスを用いて気道炎症における非神経性コリン性炎症の意義およびその役割について検討する実験をおこなっている。 OVA(卵白アルブミン)感作曝露による喘息モデルマウスを作成し、気道炎症および気道過敏性の亢進を確認した。 そのマウスを用いて、肺組織におけるアセチルコリンの産生に関与する酵素であるコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)の発現をOVAの感作、および曝露後の時系列において、マウス肺組織を採取し、real time PCR法を用いて、その発現を確認している。 また、同様にアセチルコリンのM3受容体についても、同肺組織において発現を確認している。 これまでのところ、明らかな有意差は出ていないものの、ChAT、M3受容体ともに、感作後に一過性に発現が低下したのち、前値よりも亢進する時期がある傾向がみられている。 これらの結果について、例数を増やしつつ確認する作業をおこなっており、結果が確認されたところで、学会報告及び論文化する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予備実験の結果および仮説による予測と実験結果が合致せず、研究計画の見直しが必要であったことなどから、進捗状況は遅れを生じている。現在、あらためて動物モデルの作成とともに実験計画を推進しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに使用してきた喘息モデルであるOVAモデルに加えて、パパインによる喘息マウスモデルを用いた実験を開始したところである。今後、このモデルを用いたin vivoの実験に加えて、細胞株や培養細胞を用いたin vitroの実験計画を実施に移す段階に来ており、その結果を集積していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遂行に遅れが生じたため、一部の測定実験試薬等に追加使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記計画のように、今年度の遂行分として、パパインによる喘息マウスモデルを用いた実験を開始したところである。今年度、このin vivo実験と、細胞株や培養細胞を用いたin vitroの実験をおこなうための、RT-PCRやサイトカイン等の測定試薬、培養試薬等に使用を予定している。
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