2013 Fiscal Year Research-status Report
IL-28R を発現する組換えウイルスを用いた悪性胸膜中皮腫治療
Project/Area Number |
25461165
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
沼崎 宗夫 城西大学, 薬学部, 教授 (50344677)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 弘一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00240705)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 / インターフェロン / 悪性胸膜中皮腫 |
Research Abstract |
IL-28 受容体 (IL-28R) を発現している非小細胞肺癌細胞よりクローニングした IL-28R cDNA を、In-Fusion クローニング法によりシャトルベクター pShuttle2 のマルチクローニングサイトに組み込んで、IL-28R cDNA が挿入されている pShuttle2 を構築した。IL-28R cDNA が挿入されている pShuttle2 を PI-Sce I と I-Ceu I を用いて2重消化して IL-28R cDNA を含んでいる DNA 断片を作製した。作製した DNA 断片を pAdeno X アデノウイルスベクター の PI-Sce I - I-Ceu I サイトにライゲーション後、大腸菌の形質転換を行い、制限酵素で切断して組換えクローンを同定して、遺伝子組換えアデノウイルスベクター pAdeno X-IL-28R を構築した。構築した組換えアデノウイルスベクターを制限酵素 Swa I で消化し、IL-28R cDNA を含む組換えアデノウイルス DNA をリン酸カルシウムで HEK293 細胞に導入して、 遺伝子組換えアデノウイルスを作成した。また、IL-28R を発現する遺伝子組換えアデノウイルスを感染させた悪性胸膜中皮腫細胞の特性評価を行い、IL-28R の発現を確認した。6種類の悪性胸膜中皮腫細胞株 NCI-H2452、H226、H28、MSTO-211H、H2373 および H2052 の上皮成長因子受容体遺伝子変異の有無を PCR 法にて検討した結果、H226 および H28 に遺伝子変異が生じていることが判明した。免疫不全 SCID マウスを用いて悪性胸膜中皮腫細胞をマウスの胸腔内移植する系を樹立する目的で実験を試みた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に実施を予定していた研究計画のうち、IL-28R を発現する遺伝子組換えアデノウイルスベクターの構築、IL-28R 発現遺伝子組換えアデノウイルの作製、組換えアデノウイルスを感染させた悪性胸膜中皮腫における IL-28R の発現の確認と悪性胸膜中皮腫細胞の上皮成長因子受容体遺伝子変異の解析を予定通りに終了した。また、悪性胸膜中皮腫細胞の免疫不全 SCID マウスの胸腔内への同所移植の系の構築もほぼめどが立っている状況であり、予定していた研究計画の達成度は概ね順調と判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、IL-28R を発現させた悪性胸膜中皮腫細胞に対する IL-29 の抗癌作用の機序を解明する目的で、cyclin-dependent kinases inhibitor (p16Ink4a、p21Waf1 ⁄ Cip1 や p27Kip1など) の発現量の変化やアポトーシス関連の p53 などの発現量の変化を real-time PCR により検討し、悪性胸膜中皮腫細胞の上皮成長因子受容体遺伝子変異の有無により、cyclin-dependent kinases inhibitor や p53 などの発現量の変化に相違があるか検討する。 さらに、SCID マウスの皮下 (異所性) 移植の系での IL-28R を共発現する遺伝子組換えアデノウイルスと IL-29 の併用による抗癌効果と機序の検討するとともに、SCID マウスの胸腔内 (同所性) 移植の系での IL-28R を発現する遺伝子組換えアデノウイルスと IL-29 の併用による抗癌効果と機序の検討を検討する予定である。
|