2015 Fiscal Year Annual Research Report
特発性間質性肺炎合併肺癌の化学療法関連急性増悪予測バイオマーカーの探索的研究
Project/Area Number |
25461173
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
峯岸 裕司 日本医科大学, 医学部, 講師 (80386234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清家 正博 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30366687)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 間質性肺炎 / 肺癌 / 急性増悪 / 化学療法 / バイオマーカー / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究の目的の第一は、特発性間質性肺炎(IIPs)合併進行肺癌患者における化学療法関連IIPs急性増悪の予測因子を探索すること、第二は、致死的な急性増悪と急性増悪以外の呼吸不全の鑑別に有用なバイオマーカーを探索することにある。 【方法】本体研究であるIIPs合併進行期肺癌臨床試験に登録された全例中5例に化学療法関連急性増悪が確認された。臨床経過からびまん性肺胞傷害型が強く示唆された2例と全経過中に急性増悪を発症せず、年齢・性別・喫煙歴・既存のIIPs病型が一致する対照症例2例を選択し、プロテオーム解析を実施した。サンプルは上記4症例の化学療法開始前の血清および急性増悪症例の急性増悪発症時の血清である。解析は、Full Moon Biosystems社 Cytokine Profiling Arrayを用いてアレイの画像から得られたシグナル強度データを用いてサンプル間の比を決定した。 【結果】急性増悪例と非急性増悪例の比較では多くのサイトカイン・ケモカイン、各種増殖因子・成長因子に差が認められた。特に炎症性サイトカインやTGFβファミリー、TNFファミリーに差が認められていた。本研究期間内には、これらの因子から特定の因子を絞り込み、機能解析を実施するには至らなかったが、研究の進捗に重要なデータが得られたと判断している。急性増悪前後のサンプル比較では、2症例の間でCRPに強い相関がみられたが、CRPは活動性の炎症を示す非特異的な蛋白であり、急性増悪の鑑別に対する有用性は低い。その他の因子については、共通して変化している蛋白は少なく、特に炎症性サイトカインとマトリクスメタロプロテアーゼに関しては全く正反対の変化を示すものも少なくなかった。 【考察】本検討では急性増悪の病理組織学的検討ができていない点が課題として残る。本結果から今後の研究に有益な新たな知見を得ることができた。
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Research Products
(1 results)