2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒトMUC1発現マウスを用いた肺障害モデルにおけるバイオマーカーの動態解析
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25461191
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
窪田 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (30274377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 彰仁 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (30191513)
大西 広志 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (90553876)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | KL-6 / MUC1 / 間質性肺炎 / 肺障害 / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に基礎的解析を行ったヒトMUC1トランスジェニックマウス(MUC1-Tg)を用いて、ブレオマイシンモデルやLPS肺障害モデル以外のいくつかの肺障害モデルを作成し解析を行った。II型コラーゲン刺激による関節炎モデル(リウマチモデル)では血清KL-6値、BALF中KL-6値ともに有意な差がなく関節炎も目立たなかった。加えてアダリムマブ投与実験でもKL-6値に有意な差がなく、これらのことからC57BL/6背景の本MUC1-Tgマウスそのものでは十分な病変を誘導し解析することが困難であることがわかった。このため、もどし交配でDBA/1背景化し検討するように計画を修正し現在進行中である。次にプリスタン投与による肺障害モデルでは、プリスタン単回腹腔内投与で、(DBA/1系統とは異なり)趾関節の腫脹や発赤は明らかではなかったが、著明な肺障害が見られた。KL-6は7週で血清1260±310U/mL、BALF 5538±1140U/mLと上昇し14週でも血清1625±643U/mL、BALF 6383±2426U/mLとさらに増加し慢性炎症を示した。SP-Dも同様の変動を示した。また、シリカ投与による慢性肺障害モデルでは、血清KL-6 は徐々に上昇し14週でピークの390±35U/ml、BALFも14週で4532±851U/mlに達し、16週では低下傾向を示した。SP-Dは早期から上昇し1Wで血清189±121ng/mL、BALFで4897±1993ng/mLと上昇し徐々に低下傾向を示した。SP-DとKL-6では動態に乖離が見られた。これらについて投稿準備中であるとともに、さらなる検討を行いたい。肺気腫モデルについては現在検討中である。また、関連領域としてKL-6の季節性変動について臨床検体を用いて検討し、国内学会、国際学会で発表するとともに論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MUC1-Tgマウスを自家繁殖させているため、一定の週齢のマウスを準備するのにどうしても時間がかかってしまう。当研究に割り当てられた飼育スペースが限られることも影響しており、大量飼育は困難である。肺障害モデルとして関節炎(膠原病)肺障害モデル、シリカによる肺障害モデル、肺気腫モデルを作成しているが、肺障害マウスモデル自体が出来上がるまでに12-16週かかるなど解析までに時間がかかる。加えて、C57BL/6背景では関節炎の症状が弱いことが確認され、戻し交配して現在DBA/1化を行っており再検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き複数の肺障害モデルを用いて解析を行う。コラーゲン誘発関節炎モデルマウスはC57BL/6背景では十分な病変の誘導が困難であることがわかったため、MUC1-TgマウスとDBA/1系マウスとを交配し8世代以上戻し交配を行うことでDBA/1背景のMUC1-Tgマウスを作成し解析する予定である。完全にDBA/1化するのには最低でも8世代かかる計算である。学内の動物施設の研究承認を既に得たうえでDBA/1背景化を実施している。
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Research Products
(3 results)