2015 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性肺疾患におけるマイクロパーティクルの役割と治療戦略としての意義
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25461193
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
長友 安弘 宮崎大学, 医学部, 講師 (20268600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 昭彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70204047)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロパーティクル / 炎症性肺疾患 / 間質性肺炎 / サルコイドーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマイクロパーティクル(MP)の間質性肺炎(IP)の病態関与への関与を明らかにし、さらには臨床応用・治療へと展開するための基礎的知見を得ることを目的としている。平成27年度の研究において、炎症性肺疾患32例のBALF中のMP濃度はすべての症例で検出が確認された。BALF中のMP濃度と血液中のWBC数、CRP、LDH、KL-6、SP-Dとの関連性を調べたが、明らかな相関はなかった。BALF中のMP濃度とBALF中の総細胞数、好中球数、リンパ球数との間にも相関は見られなかったが、BALF中好中球数との間には弱い相関があった。これらの結果からは、肺局所に起こった炎症性病変に対しては、血液検査における炎症マーカーと間質性肺炎マーカーや胸部画像検査よりも、BALF中のMP濃度やBALF中の好中球数を直接測定した方が炎症をより反映すると考えられた。MP濃度が予後予測因子になるかを検討したところ、間質性肺炎に対して免疫抑制剤を投与後に胸部画像上改善した8例の治療前MP濃度は80~1,670/μl(中央値220/μl)であった。一方、経過中に死亡した3例の治療前MP濃度は必ずしも高くなく、MP濃度が生命予後因子とは言えなかった。これらの結果から、現時点では診断や治療のターゲットとしてMPを臨床的に用いることは困難であるが、さらに検討を要すると考えられた。
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