2015 Fiscal Year Annual Research Report
メタボローム解析を用いた腎疾患における新規診断法の開発
Project/Area Number |
25461217
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
尾崎 武徳 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (10452195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 明由 慶應義塾大学, その他の研究科, 助教 (00572405)
丸山 彰一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10362253)
佐藤 和一 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90508920) [Withdrawn]
湯澤 由紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00191479)
秋山 真一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20500010)
松尾 清一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70190410) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | *メタボローム / 腎疾患 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
腎疾患の診断手法として腎生検は有用である。しかし、出血のリスクが高く、高齢者、片腎の患者などには施行できないなど課題も多い。特に臨床的に問題となるネフローゼ症候群の原疾患を血液と尿から診断ができる新たなバイオマーカーが開発されれば臨床的価値は高い。また、現在腎機能マーカーとしては主として血清クレアチニンが用いられているが、軽度の腎機能の検出力は必ずしも高くない。臨床の現場では新たな早期腎機能マーカーの開発が求められている。 オミクス解析法のひとつであるメタボローム解析は生体試料中の全代謝物(メタボローム)の変化を一斉測定する網羅的解析手法である。本研究では、1,000例といった大規模な症例の検体を用いたメタボローム解析を行ってきた。昨年度までに腎生検で確定診断されたネフローゼ症候群上位7疾患(微小変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症、糖尿病性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、アミロイド腎症、ループス腎炎、lgA腎症)274例を用いた検討でそれぞれを予測する代謝産物を得た。本年度は、あらたに120例のネフローゼ症候群の尿検体を用いてvalidationのための解析を行った。現在、確認された代謝産物の同定を進めている。 腎機能マーカーの検討については、本年度はGFR測定のgold standardであるイヌリンクリアランス (実測GFR)を測定した症例173例の血漿と尿検体を用いた解析を行った。代謝産物の中で、実測GFRと相関する物質を解析したところ、腎機能が低下するに従い、血漿中、尿中でそれぞれ上昇、低下する物質が検出され、代謝産物は大きく4群に分類された。特に腎機能低下に伴い血中および尿中で低下する物質の存在は興味深く、現在各代謝物の同定を進めている。
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