2013 Fiscal Year Research-status Report
炎症を標的とした糖尿病性腎症の新規治療薬のシーズ探索と創薬を目指した研究
Project/Area Number |
25461224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
四方 賢一 岡山大学, 大学病院, 教授 (00243452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 亮 岡山大学, 大学病院, 助教 (70610921)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / 炎症 |
Research Abstract |
<研究方法>動物モデルとしてstreptozotocin誘発糖尿病マウスとdb/dbマウスを用いた。 1)BL6マウスにstreptozotocin(STZ)を静脈内投与後、12週後に腎臓から糸球体を分離採取して、RNAを抽出し、対照には、クエン酸緩衝液を投与したBL6マウスを用いた。2)db/dbマウスとdb/mマウスを飼育し、生後12週に腎臓から糸球体を分離採取してmicro RNAを抽出した。3)Micro RNAアレイ:Micro RNAアレイを用いて、糖尿病マウスの糸球体に特異的に増加または低下するmicroRNAを検索するとともに、microRNAデータベースにアクセスして、糸球体における様々な炎症関連遺伝子の発現変化との関連を解析した。 <結果> 1)STZ糖尿病マウスではBL6マウスと比較して、糸球体内に発現が増加する9種類のmicroRNAと低下する22種類のmicroRNAが見出された。2)db/dbマウスではdb/mマウスと比較して、糸球体内に発現が増加する19種類のmicroRNAと低下する54種類のmicroRNAが見出された。3)両者に共通して発現が増加するmicroRNAは5種類、低下するmicroRNAは9種類であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従って、1型糖尿病および2型糖尿病モデルマウスを用いて、腎糸球体からRNAを採取して、microRNAアレイによって、microRNAの発現変化を解析した。この方法により、両モデルに共通して、糸球体内に発現が増加または低下する複数のmicroRNAを同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
<1>上記の検討によって検出したmicroRNAに関して、①糸球体のどの細胞で発現が変化するのか、②発現が変化するメカニズムを検討し、③これらのmicroRNAの標的遺伝子と作用を解析する。 1)MicroRNAアレイで検出したmicroRNAについて、サンプル数を増やして、MicroRNAアレイとPCRにて結果の確認を行う。2)糸球体上皮細胞、内皮細胞、メサンギウム細胞を高糖濃度条件下およびTNF-αなどの炎症性サイトカインを添加した条件下で培養して、PCRによって上記micro RNAの変化を検討する。3)腎症の発症・進展への関与が示唆されるmicro RNAを選択して、糸球体上皮細胞、内皮細胞、メサンギウム細胞にtransfectionし、細胞の形態変化、ケモカイン、サイトカインの発現、eNOSやSIRT-1の遺伝子および蛋白発現の変化を解析する。 <2>PSGL-1が治療標的の有望な候補の一つであることから、抗PSGL-1抗体による糖尿病性腎症に対する効果を検討する。 1)動物モデルとしてdb/dbマウスを用いる。2)既存の抗PSGL-1モノクローナル抗体の中から、PSGL-1阻害活性を持つ抗体を選択する。3)db/dbマウスに抗PSGL-1抗体またはコントロール抗体を投与する。腎組織を採取して、炎症関連分子の発現変化とアルブミン尿、腎組織の変化を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通りに糖尿病モデル動物を作成してRNAを採取してMicroRNAアレイを行ったが、得られたRNAが少なかったために複数の個体から得られたRNAを1検体にまとめて解析した結果、サンプル数が予定より少なくなり、支出が少なかった。また、継時的なサンプルの採取は現在進行中のため、次年度に持ち越した結果、支出が少なくなった。 当初の計画通り、サンプル数を増やして解析を行い、主として、動物代、試薬代に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)