2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹中 恒夫 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90179656)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クロト / 糸球体 / WNT / 上皮間葉転移 / 線維化 / PTH / ビタミンD / TGFβ |
Research Abstract |
平成25年度の研究目的は以下の3点であった。第一に、クロト蛋白がWNTのシグナルを介して糸球体病変に抑制的に働いたという仮説を検証する。第二に、間質病変については上皮間葉転移(EMT)におけるWNTの関与を検討する。第三に、線維化については、TGFβとクロト蛋白の関係に重点を置き研究する。 まず、アドリアマイシン腎症ではwnt1の発現が糸球体で亢進していた。クロト蛋白の投与が腎症に伴う蛋白尿を抑制することが示された。更にGSKβ阻害薬でWNTの経路を亢進させるとクロト投与に関わらず尿蛋白は低下せず、アドリアマイシン腎症の糸球体病変形成にWNTを介する機序があることが示唆された。 間質病変についてはEMTにおけるWNTの関与を検討した。アドリアマイシン腎症ではTwistなどのEMTのマーカーは増加しており、これらはクロトの投与で減少し、GSKβ阻害薬とクロトの同時投与ではTwistの低下が完全ではないが阻止され、間質病変形成にもWNTの関与が示唆された。 線維化についても同様に、アドリアマイシン投与でTGFやcollagen Iなどの線維化のマーカーは増加したが、これらはクロトの投与で減少した。また、GSKβ阻害薬とクロトの同時投与ではTGFβの発現を軽度低下させるに留まったが、collagen Iの増加が著明に抑止され、WNTを介さないクロトとTGFβの直接作用が示唆された。以上の結果から、クロトはアドリアマイシン腎症に対してWNTとTGFβの抑制を介して糸球体病変、線維化を含んだ間質病変ともに改善効果があると考えられた。 更に、クロト蛋白とPTH受容体の結合実験では、クロトがPTH受容体と結合することを示した。また、クロト存在下ではPTHによるcAMP等のセカンドメッセンジャーの産生が抑制された。クロトがPTH受容体との相互作用を介しビタミンDの活性化を調節する事を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年に研究機関の移動を行った。埼玉医科大学の客員教員としても研究を続けたので、今のところ大きな遅滞なく研究は進んでいる。今後も埼玉医科大学の研究協力者である先生方と引き続き協力していく。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って推進する。 慶応義塾大学の訪問教授に就任したので勤務地に近傍の同大学で研究を実施することが出来るようになった。栃木の本校の研究施設だけでなく、埼玉医科大学を含めて適材適所で研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
輸入品の購入価格の変動のため 消耗品に物品費として使用する。
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Research Products
(2 results)