2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on renoprotective effects by klotho protein
Project/Area Number |
25461229
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹中 恒夫 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (90179656)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クロト / TRPC6 / ネフリン |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度は、遅れていた染色実験を行い、計画していた全ての結果も出揃ったので、国際学会(ヨーロッパ腎臓学会学術集会)での発表と論文作成中心にを行った。アドリアマイシン腎症では尿蛋白が増加していたが、糸球体のネフリンが低下しTRPC6が増加していた。クロト蛋白の投与はネフリンの低下とTRPC6の増加を共に抑制し、尿蛋白も低下させた。TRPC6からのカルシウム流入の増加がネフリン発現の低下につながるので、クロト蛋白はTRPC6の発現を抑制することでネフリンの発現を維持し尿蛋白の漏出を阻止していることが示唆させた。しかし、アドリアマイシン腎症では、WNTの下流に当たるβカテニンを薬理学的に直接増加させると、クロト蛋白の存在下でもネフリンは低下したままだった。このことはクロト蛋白のTRPC6に対する作用はWNTに依存しないことを示唆した。一方、IGF受容体からのシグナルはTRPC6発現を増加させる。クロト蛋白にはIGF受容体に拮抗する作用も知られている。更に、IGF受容体刺激はSOD発現を低下させる。今回の一連の研究でアドリアマイシン腎症において、クロト蛋白補充が腎臓のSOD発現を増加させることが判明した。よって、アドリアマイシン腎症におけるクロト蛋白のネフリン保護は、そのIGF受容体に対する効果によるものと考えられた。前年度までに得られたデータと今年度に新たに得られたデータを基にして論文を作成しNephrology Dialysis Transplantationに投稿し受諾いただきました。
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Research Products
(2 results)