2013 Fiscal Year Research-status Report
IgA腎症の発症と進展におけるIgA糖鎖不全と責任B細胞の解明
Project/Area Number |
25461232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
木原 正夫 順天堂大学, 医学部, 助教 (50512604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 仁 順天堂大学, 医学部, 助教 (10468572)
中田 純一郎 順天堂大学, 医学部, 助教 (20365638)
富野 康日己 順天堂大学, 医学部, 教授 (60130077)
鈴木 祐介 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372935)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | IgA腎症 / 糖鎖不全IgA |
Research Abstract |
本研究の目的は、IgA腎症の発症に関与していると考えられる糖鎖不全IgAとその責任B細胞の病的役割の解明を目的としている。我々のグループでは扁桃を中心とする粘膜免疫の異常、またそこで産生されると考えられる腎炎惹起性IgAについて報告をしてきた。そのなかでTh2サイトカインであるIL-4がCore1 (β1,3galactosyl transferase)とその分子シャペロンCosmcの活性を低下させることにより、B細胞からの糖鎖不全IgA1の産生を増加させることや、扁桃摘出ステロイドパルス療法の治療により血清における腎炎惹起性ガラクトース欠損IgA1(Gd-IgA1)が低下していることを報告している。 IgA腎症においてIgA1の糖鎖不全が生じるメカニズムについては、いまだ明らかにされていない。その理由の1つとしては、それを検証する適切なモデルマウスが存在しなかったことがあげられる。実際これまでは、マウスIgAのヒンジ部O型糖鎖は存在しないとされてきたが、免疫グロブリン重鎖アロタイプ2a (Igh-2a)と2c (Igh-2c)を持つIgAにはO型糖鎖をもちうる構造であることが報告されている。 まず、初年度はマウス脾臓細胞を用いて、IgA産生ハイブリドーマを作製した。マウスはIgA腎症自然発症モデルマウスで、Igh-2aをもつddYマウスを用いた。得られたいくつかのハイブリドーマから産生されるIgA分子の糖鎖解析を行っている。またin vivoでの検討を行い、それによりIgA腎症様の糸球体病変が構築できうるかを検証中である。それぞれのハイブリドーマにより病変の違いが生じることが予測されるため、今後、その違いをreal Time PCRとシークエンスにて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々が確立したアロタイプIgh-2aとIgh-2cを持つ2系統のddYマウスの脾臓細胞を用い、ポリエチレングリコール(PEG)法によりbcl2を高発現させたNSOミエローマ細胞と融合させた。融合したハイブリドーマからIgAを産生量の多いクローンをELISAにより選別し、IgA産生ハイブリドーマを作製した。得られたいくつかのクローンからトリゾールを用いてRNAを抽出し、cDNA合成を行った。適したプライマーを設定して検討し、IgAの定常領域と可変領域のシークエンス確認した。またアミノ酸シークエンスを行い、ヒンジ部においてセリン、スレオニンの有無を確認し、O型糖鎖が存在しうると判断した。クローン作製に時間を要したため、やや進行は遅れていると判断したが、正常マウスへの腹腔内投与を開始しており、さらに検討を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoでIgA腎症が再現されるか確認する。もしそれぞれのハイブリドーマで病変の違いが生じるならば、疾患に関連する分子についてreal-time PCRで検証後、IgAを精製し、多量体/単量体IgAを分離し割合を確認するとともに、MALDI-TOF-MSにてO型糖鎖構造の分析を行う。疾患に関連する分子が特定し、その遺伝子導入したプラスミドを作製し、その分子をより高度に発現もしくは発現を低下させたハイブリドーマを作製し、再度in vivoで検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスからIgA産生ハイブリドーマを作製する過程において時間を要し、初年度に開始する予定であったin vivoでの検討に若干の遅れが生じたため。 次年度になりin vivoでの検討を開始しており、研究計画に沿って検討を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)