2015 Fiscal Year Annual Research Report
PHAIIにおけるKLHL3/Cullin3の役割の検討
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25461243
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
太田 哲人 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (00510356)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NaCl共輸送体(NCC) / 遺伝子改変マウス / WNKキナーゼ / 遺伝性高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性高血圧症であるPHAIIは,塩分感受性高血圧、高カリウム血症、代謝性アシドーシスを呈する遺伝性疾患である。その原因遺伝子として最近WNK4, WNK1以外にKLHL3,Cullin3が同定された。平成26年にはKLHL3がCullin3と複合体を形成しWNKに対するE3リガーゼを形成する事を明らかにし、KLHL3-Cullin3複合体によるWNKキナーゼの分解不全に起因するNaCl共輸送体(NCC)による塩分再吸収の亢進がPHAIIの病態の本質である事を明らかにした。Cullin3に報告されている病原性変異はexon9周囲に位置し,変異を有する患者の白血球ではexon9のskippingが起きている事が確認されている.しかしながらこの変異がPHAIIを引き起こす分子病態は明らかでない。平成27年度では、PHAII起因性であるCullin3のexon9のsplice acceptorの変異G(-1)Aをもつノックインマウスを作製しその解析を行った。その結果、変異ノックインマウスは、ヒトでの白血球での結果と異なり、その変異アレルからexon9のskipping が確認できず、ヘテロ変異マウスでの腎臓Cullin3蛋白発現量は正常の約50%であり、変異アレルからは正常の転写翻訳はおきていない事が推測された。同時にこのヘテロ変異マウスではPHAII様の形質は確認できなかった。すなわち、本マウスモデルではexon9のskippingを再現できなかったが、単なるCullin3のheterozygous deletionではPHAIIが発症しない事が確認され、exon9がskipされた変異Cullin3は単なる非機能蛋白でなく、数あるCullin3ベースのE3リガーゼ中でKLHL3に対して特異的に作用する機能を持っている事が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Impaired degradation of WNK by Akt and PKA phosphorylation of KLHL32015
Author(s)
Yoshizaki Y, Mori Y, Tsuzaki Y, Mori T, Nomura N, Wakabayashi M, Takahashi D, Zeniya M, Kikuchi E, Araki Y, Ando F, Isobe K, Nishida H, Ohta A, Susa K, Inoue Y, Chiga M, Rai T, Sasaki S, Uchida S, Sohara E
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 467
Pages: 229-234
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant