2013 Fiscal Year Research-status Report
腎機能低下に伴うMg代謝異常の骨由来リン利尿因子と抗加齢蛋白に対する効果の検討
Project/Area Number |
25461251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
大矢 昌樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90550301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 隆 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (30187348)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マグネシウム / TRPM / Klotho / FGF-23 |
Research Abstract |
本研究は、腎機能低下に伴うマグネシウム(Mg) 代謝異常と新規骨由来リン利尿因子(FGF-23)および抗加齢蛋白(Klotho)との関連の機序解明し、血管保護と抗加齢の手段の研究の方向性を示すことを目標とする研究である。腎機能低下に伴うMgトランスポーターの変化に関しての研究をまず行うこととした。基礎研究として慢性腎不全モデルとして5/6腎摘ラットを作成した。そのうえで、腎機能に伴うTRPM6/7の発現の検討を行った。腎以外には腸管等のサンプリングも行った。5/6腎摘ラット群ではではコントロール群に比べて、TRPM7のmRNA発現は亢進していた。TRPM6の発現は変化が認められなかった。western blotting法を用いた蛋白定量を試み、現在入手できうるTRPM抗体にて行ったが、非特異的なバンドが多数認められ、現段階では蛋白発現量を測定することは不可能であった。慢性的な腎機能低下に伴うMgトランスポーターの変化に関してはTRPM7>6で発現が亢進する可能性があると考えられた。 臨床的検討としては、ヒト腎生検組織における検討に先立って、透析導入時の尿毒症患者1231例の血清Mgと副甲状腺ホルモン(PTH)との関連を検討した。その中で、iPTHが血清Mg濃度との有意な関連を示すことを証明でき、論文化、投稿を行っているところである。血清MgがiPTHの有意な関連因子であることで、MgとCKD-MBD関連の機序解明の1つであることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性腎不全モデルとしての5/6腎摘を用いる検討において、各種サンプリングは既に終えている。しかしながら、TRPMの遺伝子発現に関しては、測定を終えているが、TRPM蛋白発現に関して、western blottingでは市販されている抗体を用い検討したが、特異的なTRPMのバンドの発現が確認できず、現在入手可能な抗体を用いて検討したが、非特異的なバンド発現が多数認められ、測定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
TRPM6および7の腎機能低下における発現に関して、mRNA発現の相違(TRPM6<7)が認められ、急性腎機能低下やさらなる腎機能低下によるmRNA発現量の相違点を今後検討する必要がある。また抗加齢蛋白(Klotho)および骨由来リン利尿因子(FGF-23)との関連を探るべく、尿細管上皮細胞培養を用いた検討も今後行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要な試薬や抗体を測定直前に購入するものとして購入する必要があったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額を合わせて、試薬および抗体購入費として使用する予定である。
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