2014 Fiscal Year Research-status Report
腹膜線維症に対する治療用遺伝子デリバリー技術の開発
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25461252
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
森下 義幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (30570494)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腹膜線維症 / 遺伝子治療 / ドラッグデリバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
①糖分解産物であるMGO(メチルグリオキサール)を腹膜透析液に混入投与し腹膜線維症モデルマウスを作製した。腹膜線維症モデルマウスに生体細胞膜構成成分であるリン脂質とコレステロールで構成されたLiposomeからなる100-150nmのナノパーティクル(nanoparticles: NPs)にTGF-β1-siRNAを内包し、腹膜透析液に混注し、腹腔投与したところ腹膜組織で有意にTGF-β1がノックダウンされ、腹膜線維症が抑制された。コントロールsiRNAを内包したNPsでは腹膜線維症抑制効果は得られず、TGF-β1-siRNA単独投与では腹膜線維症抑制効果は限定的であった。
②同様にMGO腹腔内投与で誘導した腹膜線維症モデルラットでmicroRNAのマイクロアレイにより腹膜線維症で変化するmicroRNAを網羅的にスクリーニングした。677種類のmicroRNAの解析で80種のmicroRNAが腹膜線維症で有意に変化していた。次にヒートマップを作成し変化のあったmicroRNAをクラスター分類し、腹膜線維症で有意に上昇しているクラスター(10種類のmicroRNA)についてqPCR法で実際の発現変化を調べた。qPCRの結果10種類中6種類のmicroRNAが腹膜線維症で有意に発現亢進していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り腹膜線維症の治療用遺伝子デリバリーの開発に成果があった。また腹膜線維症に関与するmicroRNAの検索も順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
①LiposomeNPs以外の治療用遺伝子デリバリーシステム(アテロコラーゲン、カチオニックポリマー等)による新規腹膜線維症治療法の開発を行う。
②腹膜線維症に関与するmicroRNAのinhibitorまたはmimicによる腹膜線維症の治療効果を検討する。またこれらのmicroRNAが実際の腹膜透析患者の血液、腹膜透析液排液で変化しているか検討する。
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Causes of Carryover |
①新規治療用遺伝子デリバリーシステム(アテロコラーゲン、カチオニックポリマー等)を検討しているが使用量、投与間隔など検討中であり本年度実施に間に合わなかったため次年度に使用に繰り越すことにした。 ②腹膜線維症に関与するmicroRNAのinhibitorまたはmimicによる腹膜線維症の治療効果を検討するためにmicroRNAオリゴ製作を検討中であるが最適なmicroRNA人工核酸の作成が本年度実施に間に合わなかったため次年度に使用に繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
①新規治療用遺伝子デリバリーシステム(アテロコラーゲン、カチオニックポリマー等)による腹膜線維症治療法の開発を継続して行う。
②腹膜線維症に関与するmicroRNAのinhibitorまたはmimicによる腹膜線維症の治療効果を検討する。またこれらのmicroRNAが実際の腹膜透析患者の血液、腹膜透析液排液で変化しているか検討する。
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Research Products
(2 results)