2013 Fiscal Year Research-status Report
特発性炎症性筋疾患におけるリンフォイドネオジェンシスと自然免疫の分子病態解析
Project/Area Number |
25461265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竪山 真規 東北大学, 大学病院, 講師 (90396490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三須 建郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00396491)
藤原 一男 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70280873)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特発性炎症性筋疾患 / リンパ管 / FDG-PET,PET/CT / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
特発性炎症性筋疾患の免疫病態の解明を目的に本年度は二つの方向から研究を進めた。 1.特発性炎症性筋疾患の筋組織で血管およびリンパ管に対する単クローン抗体を用いて免疫染色を行い、脈管系の状態を検討した。これまで炎症性筋疾患において血管系の密度や内皮の変化は報告されているが、リンパ管についての検討はない。リンパ管は組織液の調節に重要な役割を果しているとともに、リンパ節に免疫細胞を運搬する働きがあり、慢性炎症に深く関与していると考えられる。 2.特発性炎症性筋疾患をより全身的にとらえて解析する方法としてのFDG-PET, PET/CT(PET)について検討した。これまで特発性炎症性筋疾患では、筋でのFDGの取り込みが増加していることが示されているものの、臨床における有用性について一定の見解に達していない。後ろ向きに悪性腫瘍検索のために施行されたPET画像用いて、四肢の近位筋のFDG取り込みについてSUVを測定するとともに、臨床で広く利用が可能と考えられる視覚的評価を行った。視覚的評価は四肢近位、体幹部など左右16か所について縦隔の血管を基準に陽性部位を二人の検者が独立に評価した。この結果視覚的評価の広がりは四肢のSUVと相関が認められ、視覚的評価の有用性が示された。また視覚的評価は特発性炎症性筋疾患の活動性の指標である血清CK値、筋病理所見の程度とも相関を認めた。またFDG取り込みは上肢あるいは下肢が主である症例、体幹が主である症例、全身に及ぶ症例など炎症の広がりの多様性が明らかになった。特発性炎症性筋疾患の病変は筋内で一様ではなく、多巣性病変を作ることが知られている。PETでの観察でも最もFDGの取り込みが顕著な部位はしばしば筋の内側に部分であった。病変は多巣性であるにも関わらず、SUVを四肢で比較したところ著明な左右対称性を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特発性炎症性筋疾患に病態解明について、筋病理所見を対象として局所の検討に加えて、PETを用いて全身的な検討を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき筋病理を中心として病変部での免疫病態の検討とFDG-PET,PET/CTを中心に全身疾患としての視点にたった検討を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究期間の後半はPETなど画像での検討が主となったため、物品の購入などが比較的少なくなった。 筋組織を用いた検討のための試薬、消耗品を中心に購入の予定である。 研究成果の発表を学会、研究会、論文で行う予定である。
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Research Products
(1 results)