2014 Fiscal Year Research-status Report
特発性炎症性筋疾患におけるリンフォイドネオジェンシスと自然免疫の分子病態解析
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25461265
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竪山 真規 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (90396490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三須 建郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00396491)
藤原 一男 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70280873)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特発性炎症性筋疾患 / リンパ管 / 免疫組織化学 / FDG PET |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 39例の特発性炎症性筋疾患患者において、生検筋の免疫組織学的検討を行った。1例で著明なB細胞の結節状の集積が認められ、典型的なリンフォイドネオジェネシスを示唆する所見と考えられた。 2.特発性炎症性筋疾患および対照疾患合わせて26例の生検筋を用いて、リンパ管、血管の免疫組織学的検討を行い、リンパ管、血管の新生は病態ごとに異なっていることが示唆された。 3.33例の特発性炎症性筋疾患の患者で悪性腫瘍検索目的に施行されたFDG PETおよびFDG PET/CTを後ろ向きに評価した。FDG PETで全身のとりこみ所見を肺、リンパ節、そのほかの臓器についてのデータを収集した。FDG PET画像で四肢におけるSUV maxの測定と臨床病理データを伏せた状態で複数の放射線科医師による四肢、体幹の視覚的評価を行った。一方臨床データ、FDG PET所見を伏せた状態で、神経病理学的評価を各々の患者の生検筋で行った。FDGは代謝の活発な部位に取り込まれ、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、血管炎など自己免疫疾患での有用性が報告されており、特発性炎症性筋疾患においても障害の強い筋での取り込みが予想された。検討の結果、特発性炎症性筋疾患においてFDG取り込みには種々のパターンがあり、上肢優位、下肢優位、体幹優位の症例を認めた。組織学的所見との比較では、筋細胞壊死・再生所見の程度とFDG取り込みに相関を認めた。またFDGの取り込みは著明な左右対称性を示した。これらの研究結果を学会および欧文専門誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的達成のため、種々の方向からのアプローチをすることができた。生検筋を用いた組織学的検討を元に、FDG PETによるより全身的な視点による検討を合わせて、新たな可能性を開拓し、論文として発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき特発性炎症性筋疾患の免疫病態解明のために、筋組織を用いた検討を行う。自然免疫に関連する分子の発現を検討する予定である。 筋炎モデルマウスについて、共同研究が可能であるか検討を進めている。
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Causes of Carryover |
26年度は実績の論文化を進めたため、試薬などの購入は比較的少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬および解析ソフトの購入などを計画している。
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