2015 Fiscal Year Annual Research Report
特発性炎症性筋疾患におけるリンフォイドネオジェンシスと自然免疫の分子病態解析
Project/Area Number |
25461265
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竪山 真規 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90396490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三須 建郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (00396491)
藤原 一男 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (70280873)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特発性炎症性筋疾患 / 筋病理 / 免疫組織化学 / FDG PET |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 43例の炎症性筋疾患の生検筋で免疫組織学的検討を行った。ほとんどの症例で筋膜上のHLA class1抗原の発現、マクロファージ、T細胞を中心とした細胞浸潤が認められた。3例で著明なB細胞の浸潤が認められられた。 2. 44例の炎症性筋疾患と対照疾患の生検筋で血管およびリンパ管の免疫組織学的検討を行った。慢性炎症の経過に伴って血管新生が認められる症例がある一方リンパ管の増加は血管ほどではないと考えられた。これらの脈管系の変化が組織内の浮腫や病変形成に関与していることが示唆された。 3. 過去にFDG-PETを施行された炎症性筋疾患33例と他の神経疾患118例を抽出して骨格筋へのFDG取り込みを視覚的に評価した。FDGの取り込みが増加している部位が炎症性筋疾患の88%で認められ、その多くの症例で複数部位であり、下肢、臀部などへの取り込みが認める症例が多かった。一方他の神経疾患では、多くは一部位であり、上肢がほとんどであった。 4. 33例の炎症性筋疾患においてFDG-PET所見と臨床・病理学的所見の関連を検討した。骨格筋において縦隔の血管を基準とし四肢体幹筋を16か所にわけて視覚的に評価するとともに四肢のSUVを測定した。視覚的評価とSUV値とは組織学的所見の壊死・再生所見に相関を認めた。また四肢のSUV値を炎症性筋疾患と同等の筋力低下を有する22例の筋萎縮性側索硬化症と比較したところ、炎症性筋疾患では有意にSUV値が高かった。炎症性筋疾患では著明な左右対称性のFDG取り込みが認められた。炎症性筋疾患がきわめて左右対称に障害される疾患であることを反映していると考えられた。以上のことから、炎症性筋疾患の診断においてFDG-PETが合併しうる悪性腫瘍の検索とともに骨格筋の炎症の評価にも有用であることが示され、炎症性筋疾患の病態の解明に役立つ可能性が示唆された。
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