2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461286
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
渡邊 修 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30511802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50274064)
高嶋 博 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80372803)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | LGI1 / AMPA受容体 / VGKC / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗電位依存性カリウムチャネル(VGKC)抗体関連神経症候群と称されていた複数の疾患において、真の標的抗原に対する自己抗体を網羅的に解析した。 各抗原のCell-Based ELISA assay系を構築した。 抗VGKC複合体抗体関連疾患において、7つの新規抗原(DCC,DPP10,TMEN132A,OZD1,CSMD1,GABAAR,ADAM23)を同定した。 さらに、LGI1自己抗体がLGI1とその受容体であるADAM22との結合を阻害することにより、脳内の興奮性シナプス伝達の大部分を担うAMPA受容体機能を低下すること明らかにした。 さらに自己免疫性辺縁系脳炎でGABAA受容体に対する自己抗体を持つ一群を見出した。その臨床的特徴は、浸潤性胸腺腫を合併し、免疫療法に反応しがたく、言語性記憶障害が残存しやすいというものであった。血清学的には、GABAA受容体β3サブユニットの細胞外エピトープが標的となり、抗体の結合により、シナプス上の受容体の減少が起こり、選択的に抑制性シナプス後電流を減少させることを明らかにした。これらの結果を踏まえ、神経学会、神経科学会、神経免疫学会などでシンポジウム発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規抗原を同定するとともに、各抗原に対してCell-Based ELSAによる定量法を開発した。 抗VGKC複合体抗体関連疾患において、7つの新規抗原を同定した。LGI1自己抗体がLGI1とその受容体であるADAM22との結合を阻害することにより、脳内の興奮性シナプス伝達の大部分を担うAMPA受容体の機能を低下させることを明らかにした。さらに自己免疫性辺縁系脳炎でGABAA受容体に対する自己抗体を持つ一群を見出した。GABAA受容体β3サブユニットの細胞外エピトープが標的となり、抗体の結合により、シナプス上の受容体の減少が起こり、選択的に抑制性シナプス後電流を減少させることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今回までは、海馬神経細胞を用いたが、疾患毎に異なる神経細胞を用いることで、新規抗原の同定を試みる。
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