2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞モデルでのアミロイドβ蛋白オリゴマーによるアルツハイマー病態の解明と治療探索
Project/Area Number |
25461288
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大島 洋一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50516060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 隆彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80242692)
笠井 高士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70516062)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / Aβオリゴマー |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は, 家族性アルツハイマー病(FAD)の原因の一つであるアミロイド前駆蛋白(APP)変異遺伝子をFlp-In T-REx細胞に導入し, Aβ1-42, Aβ1-40, Aβオリゴマーの産生量を解析した. Flp-In T-RExシステムでは, 単一コピーの遺伝子を細胞に導入できるため, より生理的な蛋白発現を解析できる. Flp-In T-REx細胞に野生型APP, スウェーデン型, オランダ型, ロンドン型APP変異遺伝子を導入し, 2日間37℃で培養後, 培地・細胞成分を回収した. AβモノマーELISAではスウェーデン型APP導入細胞で, 培地中Aβ1-40, Aβ1-42量が野生型よりも約10倍高値を示し, London型APPでAβ1-42/Aβ1-40比の増加を示した. AβオリゴマーELISAで測定したAβオリゴマー量はAPP変異遺伝子を導入した細胞の培地で高い傾向を示し, オランダ型APP (p<0.05), ロンドン型APP (p<0.01)で野生型よりも有意に高値を示した. 細胞成分中のAβオリゴマー量は各APP変異遺伝子間で差はみられなかった. 抗β-amyloid (6E10)抗体を用いた免疫染色では, 野生型と各変異型APP導入細胞で細胞膜・細胞質内にAβの局在を広範囲に観察した. 抗Aβオリゴマー(A11)抗体では野生型と変異型APPでAβオリゴマーの細胞内局在に差はみられなかった. 今回FAD mutationを導入した細胞において共通して細胞外Aβオリゴマー量が増加する結果が得られた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回免疫染色法で細胞内におけるAβモノマー, Aβオリゴマーの局在, ELISAで細胞内Aβモノマー, Aβオリゴマーを定量することができた. 遺伝子を単一コピーで導入可能な細胞モデルを用いることで, より生理的な環境下で細胞内外のAβオリゴマー, モノマーの検出を試み細胞内外Aβモノマー量よりも, Aβオリゴマー量増加がアルツハイマー病発症の共通メカニズムになりうる可能性を示した.
|
Strategy for Future Research Activity |
野生型APP, スウェーデン型, オランダ型, ロンドン型APP変異遺伝子が導入されたFlp-In T-REx細胞の培地にアルツハイマー病治療薬のメマンチン, 煙草成分のニコチン・メチルビニルケトン(MVK)を投与する. 2日間培養後, 培地・細胞成分を回収し, 細胞内外のAβ1-40, Aβ1-42, Aβオリゴマー量をELISA法, ウェスタンブロット法で定量し, FAD細胞モデルにおける各試薬によるAβ1-40, Aβ1-42, Aβオリゴマー量の変化を解析する.
|
Research Products
(2 results)