2013 Fiscal Year Research-status Report
家族性パーキンソン病におけるmiRNAプロファイル解析と特異的miRNAの探索
Project/Area Number |
25461304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Tokushima National Hospital |
Principal Investigator |
黒田 由紀子 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (70398014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三ツ井 貴夫 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (80294726)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | miRNA / 家族性パーキンソン病 / 病態 |
Research Abstract |
パーキンは家族性パーキンソン病の原因遺伝子(PARK 2)であり、パーキン蛋白はユビキチン・リガーゼ活性(E3)を有し、近年はミトコンドリアと関連した機能が報告されている。また別にパーキンは癌抑制遺伝子として作用することも注目されている。一方、私達は、パーキンのミトコンドリアに関連した機能について独自の研究を進め、パーキンをミトコンドリアへ運搬する未知の蛋白(Klokin1)を同定した。またパーキンは細胞の増殖状態に依存して、ミトコンドリア遺伝子の転写・複製を介したbiogenesisを促進することを見出した。本研究は、パーキンがmiRNAを介してミトコンドリアならびに核遺伝子の転写・複製に関与し得るか否かを明らかにすることを第一の目的とし、そのmiRNAの探索を通して、細胞周期、ミトコンドリアのbiogenesis、およびcarcinogenesisに関与するmiRNAを同定することを計画している。さらに、パーキンに関連した他のパーキンソン病の原因遺伝子であるPINK1、DJ-1についても、それに関連したmiRNAを探索し、その機能を解析することで、家族性パーキンソン病の病態の解明を目指す。 パーキンならびにPINK1、DJ-1に特異的に関連したmiRNAをCLIP法ならびにクローニングにより特定する。まずはパーキンとDrosha複合体との関連を免疫沈降法および細胞分画法で検討を行った。その結果、ミトコンドリア分画においてもDrosha蛋白が検出された。さらに、パーキンに結合したDroshaが核分画およびミトコンドリア分画で検出された。このことは、ミトコンドリアにおいてもpri-miRNAが存在し、Droshaの関与したmiRNAプロセッシングが起こっている可能性が示唆された。さらに、パーキンはDrosha複合体に結合し、核のみならずミトコンドリアにおいても、そのプロセッシングを担っている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私達はパーキンとDrosha複合体との関連を免疫沈降法で検討した。方法は、培養神経細胞SH-SY5Yを核・ミトコンドリア分画に分離し、おのおのを可溶化したのち、抗パーキン抗体(PRK8)を用いて免疫沈降を行った。その結果、まず驚くべきことに、ミトコンドリア分画においてもDrosha蛋白が検出された。さらに、パーキンに結合したDroshaが核分画およびミトコンドリア分画で検出された。この結果は、ミトコンドリアにおいてもpri-miRNAが存在し、Droshaの関与したmiRNAプロセッシングが起こっている可能性を示唆せた。さらに、パーキンはDrosha複合体に結合し、核のみならずミトコンドリアにおいても、そのプロセッシングを担っている可能性を示すものであると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
a) アレイによるmiRNAプロファイル解析 培養神経細胞(SH-SY5Y,PC12)において、 パーキン、PINK1、 DJ-1のノックダウンによる発現パターンの変化を分析する。さらにパーキンについてはparkin-/-とparkin+/+の違いをMEFにおいて解析する。さらに私達はPARK2患者のリンパ球ならびに皮膚生検により得た線維芽細胞を保管している。なお、このサンプルは、本研究が徳島病院倫理委員会で承認された(平成22年7月14日)のちに、患者の文書同意を得てから採取されたものである。この4症例の線維芽細胞を用いて、miRNAプロファイルを健常線維芽細胞と比較する。 b) パーキン特異的なmiRNAの同定 培養神経細胞(SH-SY5Y)の核およびミトコンドリア分画において、パーキンが結合するRNA画分をCLIP法で採取し、この画分からmiRNAをクローニング(キットを使用)により特定する。得られたmiRNAについて、上記アレイの解析結果と照合すると共に、その機能を推定する。 c) DJ-1, PINK1に特異的なmiRNAの同定 前年度のb)と同様の方法でDJ-1, PINK1に特異的なmiRNAの同定と解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度には、CO2インキュベーター・ヤマト科学・IT820(1台×@1,900)の購入を検討していたが、抗体、培養関連で予想よりも多く予算が必要になったため購入できなかったことから申請金額よりも少額使用となった。 H26年度ではH25年度の予算も合わせて試薬、抗体、培養関連、遺伝子導入試薬等に使用したいと計画している。
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Research Products
(5 results)