2014 Fiscal Year Research-status Report
MMP特異的19F-MRトレーサーを用いた血栓溶解時の出血性梗塞予測法確立
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25461310
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 博中 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20231128)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経機能画像学 / 磁気共鳴学 / 19F / 脳虚血 / 出血性梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳梗塞急性期における重篤かつ頻度の高い副作用である血栓溶解療法後の出血性梗塞(hemorrhagic transformation; HT)の原因、即ち脳血管内皮細胞障害を直接検出することにより、血栓溶解療法適応判断のbiomarker となり得る新しいタイプの19F-MR トレーサーを開発することである。 2年目にあたる本年度においては、1) 19F-GM6001合成の最適化 2)19F-GM6001 の生体における脳内薬物動態およびMMP検出特異性の評価 以上2点を行った。 19F-GM6001の合成最適化については、試行を重ねた結果、当初予定していた6-19F-GM6001より、5-19F-GM6001の合成がより標識率が高い(約90%)ことが確認され、実験には5-19F-GM6001を用いることとした。 19F-GM6001 の生体における脳内薬物動態およびMMP検出特異性の評価に関しては、当該トレーサーを安定型MM2, 活性型MMP2, 安定型MMP9, 活性型MMP9を各々脳内に2μl注入したMMP2 knockout mouseに静脈投与し、画像を撮像したところ、MMP2および9のすべての形において感度よく画像化に成功した。これは生体におけるMMP zymographyが可能であるということを示しており、出血性梗塞の可能性のある部位の検出が当該トレーサーを用いたMRIにて十分可能であることを示している。また脳内経時動態については、投与後2時間まで、安定して検出が可能であり、そのKdの低さから、投与時のMMP2/9の局所分布を反映していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
19F-GM6001合成に関して、当初予定されていた6-19F-GM6001と比較し、より効率的に合成が可能である5-19F-GM6001を開発することに成功した。さらに、当該トレーサーについて当初予定されていた薬物動態の解析とともに、2μlという非常に少ないMMP2/9投与におけるMMP集積の画像化にも成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に推移しており、現時点においては研究進捗を阻害する問題点は認められない。 現時点では、MMP2/9が脳内にて増加する脳内LPS注入モデルとin situ zymographyとの比較を行い、実際にMMP2/9が増加している部位での検出能の検討を行っており、この後、実際の脳梗塞モデルへの応用を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品(主に薬品)の端数として本年度14,882円が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年同様、消耗品(主に薬品)の購入に充てる。
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