2014 Fiscal Year Research-status Report
カルレチニンと単球走化性蛋白質1を標的とした筋萎縮性側索硬化症の新規治療法の創出
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25461317
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 信太郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (90312876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 信利 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00432930)
大八木 保政 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30301336)
立石 貴久 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50423546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 孤発性筋萎縮性側索硬化症 / ミクログリア / マクロファージ / TDP-43 / 脊髄前側索 / 運動ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
1)平成26年度の研究で、孤発性筋萎縮性側索硬化症 (SALS)の脊髄白質に浸潤する免疫細胞群の特徴を明らかにした。平成27年度はこの成果を発展させるべく運動ニューロン病理と免疫細胞群との関連性を解析した。SALS7例、コントロール5例の剖検脊髄切片を用いて、Iba-1、CD68、TDP-43、SMI-31、iNOS、GDNFに対する抗体を用いて免疫染色を行い、錐体路 (CST)、CSTを除いた前・側索 (ALFoc)、脊髄灰白質前角 (AH)における免疫陽性細胞数、CSTとALFocに含まれる軸索数、AHにおいてTDP-43病理がみられる運動ニューロン数を定量した。ミクログリア/マクロファージは活性の過程で少なくとも5種類の形態を呈し得るため (Lewis CB, 2009)、形態を"foamy"と"non foamy (rod- or elongated shaped)"に分けて検討した。この結果、運動ニューロンのTDP-43病理はALFocにみられるfoamyな形態を有するIba-1陽性細胞とのみ有意な相関を示した (r=0.673, p=0.0060)。Iba-1陽性細胞の大半はiNOS陽性であったが、GDNFは陰性であった。ミクログリアの形態と白質の軸索数との間に相関関係はなくALSFRS-R、%VCと有意な相関を有する脊髄内領域はなかった。 2)ALS42症例 (M:F=20:22)脳脊髄液中のグリア性炎症マーカーを含む炎症性ケモカイン/サイトカイン濃度 (蛍光ビーズサスペンションアレイシステム)とカルレチニン (CR)濃度 (ELISA法)との相関について検討を行った。この結果、サイトカイン濃度 (pg/ml)は、CCL2が264.94-288.57 (平均 276.76)、CCL4が11.85-13.80 (平均12.82)、IL-1betaが0.86-1.05 (平均0.96)、TNF-alphaが76.58-83.12 (平均79.85)の間に分布した。一方、CR濃度については計画書に記載した通りReikaらが報告した胸水中のCR測定方法 (BMC cancer 2010)を参考に検討したが、今回の検体では測定感度以下であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋萎縮性側索硬化症の脊髄変性の研究では、錐体路や灰白質前角しか注目されていない。しかし本研究ではこれまでほとんど着目されていなかったSALS脊髄前側索変性の重要性を指摘し、この領域に浸潤する活性化ミクログリア (特にfoamy appearenceを有する細胞)は運動ニューロンのTDP-43病理と正相関を有することを発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 平成27年度の研究で得られた成果を発展させるため、ALSの脊髄前側索に出現するミクログリアの特徴を更に明らかにする。ミクログリアは活性の早期と後期とで発現する遺伝子が異なる (Byrnes KRら、GLIA 2006)ことに着目して、ALS脊髄内で早期にミクログリアが活性化する領域の同定、病態カスケードにおいてより早期に治療の標的とすべきグリア性炎症関連分子の同定を目指す。2) 脳脊髄液中CR濃度の測定方法は過去に報告がないため、今回の実験条件をもとに改めて抗体やstreptavidin-HRPの希釈濃度や反応時間の検討など至適条件の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含めて当初の予定通りの計画を進める。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
カルレチニンの作用によるグリア炎症惹起の検証を、平成27年度に計画している研究とあわせて行う。
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Research Products
(6 results)