2014 Fiscal Year Research-status Report
膵β細胞新生における遺伝子発現調節機 構の解析と再生医療 への応用
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25461348
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮塚 健 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60622363)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インスリン / β細胞 / 糖尿病 / マイクロアレイ / 転写因子 / β細胞分化 / β細胞新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
① Gpr158欠損マウスの解析 昨年のInsulin-Timerマウスを用いたマイクロアレイ解析でβ細胞の成熟化に伴い発現が上昇する遺伝子の1つとしてG蛋白共役受容体 Gpr158 を同定した。Gpr158ヘテロ欠損マウスをKOMP(Knockout Mouse Project)より入手し、同マウスを交配してGpr158ホモ欠損マウスを作製した。Gpr158ホモ欠損マウスの体重、随時血糖値の推移は対象同胞マウスと同程度であり、ブドウ糖負荷試験の結果も変化なかった。
② 成体マウスにおける新生β細胞の単離 3つの転写因子Pdx1, Neurog3, Mafaを異所性に発現させ、腺房細胞からβ細胞への分化転換を誘導するマウスElastase-CreER; CAG-CAT-Pdx1; CAG-CAT-Neurog3; CAG-CAT-Mafaマウス(exo-PNMマウス)を作製し、Insuli-Timerマウスと交配することにより、flow cytometryにより新生β細胞を緑色細胞として標識することに成功した。ただし、コラゲナーゼおよびトリプシン処理の過程で細胞のviabilityが落ちること、圧倒的多数の腺房細胞から新生β細胞をFACSにより単離するためには相当の時間がかかること等の理由により、FACS条件の最適化には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①マイクロアレイ解析より抽出した遺伝子の1つであるGpr158の変異マウスを入手し、コロニーを増やすことができた。今のところ大きな表現型は確認されていないが引き続き観察を続ける。
②成体マウス膵臓からFACSに適した条件のsigle cellを得るのに苦労している。これはコラゲナーゼおよびトリプシン処理の過程で細胞のviabilityが落ちること、圧倒的多数の腺房細胞から新生β細胞をFACSにより単離するためには相当の時間がかかるに起因していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
①Gpr158発現パターンの解析を行う。我々が使用しているGpr158-lacZノックインマウスではGpr158領域がlacZに置換されているため、X-gal処理あるいは抗lacZ抗体を用いた免疫染色を行えば、Gpr158の局在を確認することができる。今後Gpr158欠損マウスを通常食下、インスリン抵抗性存在下(高脂肪食負荷、妊娠時ほか)で飼育し、耐糖能を評価する。
②成体マウスにおいてより効率的にβ細胞新生を促すため、上記exo-PNM;Insulin-Timerマウスに液性因子を投与する。既報より、EGF, CNTF, GLP-1アナログ, ガストリン等がβ細胞新生を促すことが報告されている。またStat3欠損;exo-PNMマウスではacinar-to-beta reprogrammingが亢進していることが見出されたので、exo-PNM;Insulin-TimerマウスにStat3阻害剤投与を試みる。
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