2015 Fiscal Year Annual Research Report
cAMPによるインスリン分泌増強におけるグルタミン酸シグナルの役割の解明
Project/Area Number |
25461351
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 晴美 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命講師 (50546489)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インクレチン / cAMP / インスリン分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) インクレチン/cAMPシグナルによるインスリン分泌増強およびグルタミン酸による開口分泌促進に関与する分子を同定するために、インスリン分泌細胞株MIN6をインクレチンまたはcAMPアナログ、グルタミン酸で刺激し、インスリン顆粒画分のタンパク質を抽出して質量分析による解析を行った。まず、細胞を高濃度グルコース(HG)、HG+GLP-1、HG+グルタミン酸、HG+8-Br-cAMP(細胞膜透過性cAMPアナログ)およびHG+8-pCPT(Epac選択的cAMPアナログ)で刺激した後、細胞を回収して破砕した。その後インスリン顆粒画分を精製し、質量分析により解析した。HG単独刺激とインクレチン/cAMP刺激でインスリン顆粒画分のタンパク質分布を比較したところ、いくつか変動のあるタンパク質が認められ、インクレチン/cAMPシグナルまたはグルタミン酸によるインスリン分泌に関与することが示唆された。2) Epac2A/Rap1シグナルの下流で開口分泌に関与する分子を同定するために、Hisタグを融合したRap1(His-Rap1)をMIN6細胞に発現させ、この細胞を8-pCPTで刺激した後細胞溶解液を回収した。続いてコバルトビーズを用いたHisタグのアフィニティ精製を行うことによりHis-Rap1とRap1結合タンパクの複合体を精製した。この複合体を電気泳動で分離したところ、8-pCPT刺激により特異的なバンドが認められ、Epac2A/Rap1シグナルの下流因子となる分子が含まれることが示唆された。
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