2015 Fiscal Year Annual Research Report
新たな膵α細胞モデルを用いた1型糖尿病におけるグルカゴン分泌異常メカニズムの解明
Project/Area Number |
25461367
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
三柴 裕子 (村瀬裕子) 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80377415)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グルカゴン / 膵α細胞 / 1型糖尿病 / メタボローム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.インスリン分泌枯渇糖尿病モデル動物の作製:インスリン受容体ノックダウン膵α細胞(≒in vitroでインスリン作用が慢性的に欠乏した膵α細胞モデル)にタウリンを投与すると、高グルコース下でグルカゴン分泌が奇異性に増加した。この結果をin vivoで検討すべく、ストレプトゾトシン誘発インスリン分泌枯渇糖尿病モデルマウスを作製した。具体的には、streptozotocin (STZ) 75 mg/kgを10週齢のC57BL/6Jマウスに連続5日間腹腔内投与することで、膵β細胞をほぼ完全に破壊することに成功した。このマウスに糖尿病完成後よりタウリンを長期間投与し、以下の検討を行った。 2.インスリン分泌枯渇糖尿病モデルマウスにタウリン投与が及ぼすグルカゴン濃度への影響:STZ投与開始4週後からタウリンを飲料水に溶かして4週間投与したところ、タウリン非投与マウスと比べて、タウリン投与マウスでは膵ラ氏島におけるグルカゴン陽性細胞面積の増加とグルカゴンコンテントが増加する傾向が認められた。また、タウリン投与群は非投与群に比し、経口ブドウ糖負荷試験における負荷後血中グルカゴン濃度の上昇が認められた。以上より、インスリン分泌が枯渇した1型糖尿病のモデルマウスにタウリンを投与することが、膵α細胞量を増加させ、グルカゴン分泌を増強させる可能性があることが示された。血糖コントロールや血糖変動指標など糖代謝全般に対する影響に関しては、現在検討中である。
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