2014 Fiscal Year Research-status Report
血清プロテオーム解析で見出した2型糖尿病関連蛋白質の機能解析
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25461370
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
久保田 浩之(卯木浩之) 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (40323290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏑木 康志 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 部長 (40342927)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は先行研究において2型糖尿病モデルマウスであるKK-Ayマウスの血清プロテオーム解析を行い、若週齢より持続した発現上昇を認めるタンパク質serine protease inhibitor A3 (SERPINA3)を同定した。SERPINA3と2型糖尿病との関連を検討する目的で、前年度に引き続きヒト2型糖尿病患者における血清濃度の解析を行った。測定対象は、当院人間ドック科を受診し糖尿病でない非糖尿病対照群71名(64.4±2.7歳(mean±SD、以下同様), 男性(M)/女性(F)=37/34)、当院糖尿病内分泌代謝科に通院中で糖尿病合併症を有していない2型糖尿病患者群69名(65.6±7.5歳, M/F=37/32)とした。血清SERPINA3濃度は健常人群158.7±24.8μg/mL、2型糖尿病群175.1±40.6μg/mLと非糖尿病対照群に比べ2型糖尿病患者群で有意な濃度上昇を認めた(P=0.005)。SERPINA3を目的変数としたステップワイズ多重回帰分析において有意な規定因子となったのは、HbA1c (β: 0.193, P=0.024)、血清クレアチニン(β: 0.187, P=0.029)であった。一方、2型糖尿病モデルマウスを用い各種臓器におけるSERPINA3 mRNAの発現を検討した結果、対照マウスと比べ有意な発現上昇を認めた臓器は肝臓、膵臓、腎臓であった。今後2型糖尿病の発症・進展におけるSERPINA3の生理学的意義について精査を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2型糖尿病モデルマウスの血清プロテオーム解析にて得られた知見が、ヒト2型糖尿病患者を用いた解析でも検証されたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後2型糖尿病の発症・進展におけるSERPINA3の生理学的意義についてin vitro, in vivoにて精査を進める予定である。
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