2014 Fiscal Year Research-status Report
脂質代謝異常症としてのアルツハイマー病:ABCA1とABCA7はどうなっている?
Project/Area Number |
25461375
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
堂前 純子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70227700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道川 誠 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40270912)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ABCA1 / ABCA7 / HDL / apo E / アルツハイマー病 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ABCA1, ABCA7 の反応メカニズムとその制御機構解析のため、ABCA1, ABCA7いずれの発現もないHEK293細胞、HEK293へのヒトABCA1安定発現株, ヒトABCA7安定発現株を用い、アポリポタンパク質A-I (アポA-I)の投与に伴って放出されるHDLと細胞の両方につき、脂質組成の詳細を調べた。 各細胞をアポA-I非存在下/存在下で培養し、得られた培養上清ならびに細胞の脂質のコレステロール、ホスファチジルコリン(PC)、スフィンゴミエリン(SPM)を定量した。PCとSPMについては、エレクトロスプレーイオン化法を用いた質量分析による構成脂肪酸の分子種同定を行い、相互の比較に用いた。HDL粒子のコレステロール/PC比はABCA1 発現株>ABCA7発現株で、これまでの報告と一致していた。今回各サンプルでのコレステロール/SPM/PC比を正確に測定できたことより、HDLへのSPM組み込みは細胞内での比率よりもHDL中コレステロールレベルに規定されること、これは発現タンパク質がABCA1でもABCA7でも変わらないことが示された。また、HDL粒子の構成脂肪酸の分子種組成は、各々が由来する細胞のものとほぼ一致していたが、炭素鎖長の短いもの(PC, SPM)、不飽和度の低いもの(PC)を優先して取り込む傾向が見られ、画一的でないことも明らかになった。 一方マウス生体を用いた実験から、マクロファージのin vivoでの異物貪食能にはABCA1, ABCA7のみならずアポEも影響することを見出し、これらの遺伝子産物のファゴサイトーシスでの相互作用の確認を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種マウス、特にABCA1 KO, apoE KOマウスの繁殖と維持に困難が多いため、常に予定通りの実験を実施できる体制はできていない。マウスの供給状況に対応した動物実験を優先しつつ、培養細胞実験と動物実験を平行して行っている。 また分野の異なる共同研究者と、同一マウスから各々が必要な臓器を採取する等して効率を上げている。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子改変マウス各種の繁殖と維持には困難が多いが、得られたマウスが有効に利用できるよう、供給状況を勘案して進める。マクロファージ不死化等、使用個体数を減らせる実験系も検討している。
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Causes of Carryover |
使用したい実験試薬(ELISA kit)の詳細確認のための製造元への問い合わせと納期の関係で、購入が遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウスのELISA 定量系はヒト用に比べて製品数が少ないので慎重に選び、用意しているサンプルの測定に用いる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Liquid diet induces memory impairment accompanied by a decreased number of hippocampal neurons in mice2014
Author(s)
Okihara, H. Ito, J. I. Kokai, S. Ishida, T. Hiranuma, M. Kato, C. Yabushita, T. Ishida, K. Ono, T. Michikawa, M.
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Journal Title
J Neurosci Res
Volume: 92
Pages: 1010-7
DOI
Peer Reviewed
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