2013 Fiscal Year Research-status Report
血管石灰化の発症・進展における低酸素応答性転写因子HIF-1の役割に関する研究
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25461376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩井 淳 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90260801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 哲雄 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40271192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マクロファージ / HIF-1 / オンコスタチンM / LPS |
Research Abstract |
【マクロファージにおけるOSMの発現調節機構とHIF-1aの関与についての解析】 ヒト単球様細胞株(THP-1細胞)をPMAで48時間処理することによりマクロファージ分化させた(THP-1マクロファージ)。LPSはOSM遺伝子およびOSMタンパクの発現を用量依存的に促進した。LPSによるOSMの発現誘導は選択的COX-2阻害剤の添加により有意に抑制された。また、THP-1マクロファージにおけるCOX-2の発現はLPSにより強力に誘導され、PGE2の添加はOSMの発現を有意に促進した。さらに、EP4阻害剤であるL161,932によりLPSによるOSMの発現誘導が有意に抑制された。したがって、THP-1マクロファージにおけるOSMの発現誘導にはCOX-2の発現誘導を介する内因性PGE2の産生が関与しており、さらに、EP4受容体を介してOSMの発現を上昇させることが示唆された。 THP-1マクロファージにおいてLPSがHIF-1aの遺伝子発現を誘導するとともにOSMの遺伝子発現を上昇させることが明らかにされた。また、Dimethyloxalylglycine (DMOG)とLPSの同時添加では、HIF-1a蛋白の発現上昇と共にcyclooxygenase-2 (COX-2)の蛋白発現も増加した。 Cobalt chloride (CoCl2)の前処理によりHIF-1a蛋白の発現が増加したが、その後のLPS添加ではHIF-1の発現は影響されなかった。また、CoCl2によるHIF-1a蛋白の上昇はLPSによるOSMの分泌誘導にも影響しなかった。 マウスマクロファージ様細胞株(RAW264.7細胞)においては、CoCl2の前処置によりLPSによるOSMの遺伝子およびOSMタンパクの発現誘導が有意に増強された。また、CoCl2の前処置によりLPSによるCOX-2の発現も増強された。以上のことから、少なくともマウスのマクロファージ系細胞においてHIF-1aはLPSによるOSMの誘導を促進する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マクロファージに由来する血管石灰化促進因子oncostatin M (OSM) の発現調節機構について、LPSによるOSMの発現調節経路(LPS-TLR4-COX2-PGE2-EP4受容体-OSMの発現)を明らかにした。また、HIF-1aタンパク発現の増加により、LPSによるOSMの誘導反応が増強されたことから、HIF-1aがOSMの発現調節に関与していることが示唆された。以上の成果からおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマクロファージに由来するOSMの血管平滑筋細胞への作用(骨芽細胞への分化促進作用)の検討とin vivoでの動脈硬化モデルマウスを用いたHIF-1aの役割の解析を予定どおり行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額のため次年度に繰り越す 実験試薬の購入にあてる
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Kidney function, cholesterol absorption and remnant lipoprotein accumulation in patients with diabetes mellitus2014
Author(s)
Sonoda M, Shoji T, Kimoto E, Okute Y, Shima H, Naganuma T, Motoyama K, Morioka T, Mori K, Fukumoto S, Shioi A, Koyama H, Emoto M, Inaba M
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Journal Title
J Atheroscler Thromb
Volume: 21
Pages: 346-354
Peer Reviewed
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[Journal Article] Serum n-3 and n-6 polyunsaturated fatty acid profile as an independent predictor of cardiovascular events in hemodialysis patients2013
Author(s)
Shoji T, Kakiya R, Hayashi T, Tsujimoto Y, Sonoda M, Shima H, Mori K, Fukumoto S, Tahara H, Shioi A, Tabata T, Emoto M, Nishizawa Y, Inaba M
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Journal Title
Am J Kidney Dis
Volume: 62
Pages: 568-576
DOI
Peer Reviewed
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