2014 Fiscal Year Research-status Report
血管石灰化の発症・進展における低酸素応答性転写因子HIF-1の役割に関する研究
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25461376
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩井 淳 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90260801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 哲雄 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40271192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オンコスタチンM / 血管平滑筋細胞 / 骨芽細胞 / JAK3 / STAT3 |
Outline of Annual Research Achievements |
【血管平滑筋細胞の骨芽細胞への分化に対するマクロファージ由来のoncostatin M (OSM)の作用とその機序の解析】 種々のヒト動脈(臍帯動脈、大動脈、冠動脈)由来の血管平滑筋細胞に対するOSMの骨芽細胞への分化促進作用について検討した。いずれの動脈由来の血管平滑筋細胞においても分化メディウム存在下でOSMはalkaline phosphatase (ALP)活性を上昇させるとともにin vitroでの石灰化を促進した。また、骨芽細胞の分化マーカーであるRunx2およびALP遺伝子の発現も上昇させた。 次に、OSMの骨芽細胞への分化促進作用の機序を臍帯動脈由来の血管平滑筋細胞において検討した。OSMが血管平滑筋細胞においてSTAT3のリン酸化(活性化)を引き起こすことをウエスタンブロット法により確認した。このOSMによるSTAT3のリン酸化はJAK3の阻害剤であるWHI-P154により用量依存的に抑制された。WHI-P154はOSMによるALP活性の誘導を用量依存的に抑制した。また、10 microM WHI-P154はOSMによる石灰化をほぼ完全に抑制した。WHI-P154はOSMによるALP mRNAの発現誘導を有意に抑制したが、OSMによるRunx2 mRNAの発現誘導は抑制されなかった。JAK3をsiRNAによりノックダウンしたところ、OSMによるALP活性の上昇およびin vitroでの石灰化は有意に抑制されたが、ALPおよびRunx2の遺伝子発現は抑制されなかった。一方、STAT3をsiRNAによりノックダウンしたところ、ALP活性、ALP遺伝子の発現およびin vitroでの石灰化はほぼ完全に抑制された。 以上の結果から、OSMはJAK3-STAT3シグナル経路を介して血管平滑筋細胞において骨芽細胞への分化を促進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想どおり、マクロファージに由来するoncostatin M (OSM)が血管平滑筋細胞の骨芽細胞への分化をJAK3-STAT3経路を介して促進することが明らかにできた。この成果からおおむね順調に進展していると判断する
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、動脈硬化モデルマウスを用いたHIF-1aの役割の検討を中心にすすめる。
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Causes of Carryover |
次年度に多くの物品購入が予想されるため、本年度の物品購入を抑えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にマウスを用いた解析のための物品費(血液検査、標本作成、免疫染色用の抗体購入など)に充てる。
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Research Products
(6 results)