2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規中性脂肪吸収抑制薬であるSAR1B抑制PIポリアミドの開発
Project/Area Number |
25461378
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上野 高浩 日本大学, 医学部, 兼任講師 (40386008)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | Sar1b / PIポリアミド |
Outline of Annual Research Achievements |
Sar1bは小腸上皮細胞におけるカイロミクロン合成分泌においてその重要な過程を担い、発現抑制することで小腸からのカイロミクロン合成を抑制させることができる。その抑制薬として新規遺伝子発現制御技術であるPIポリアミドをSar1b遺伝子プロモーターに結合するようにデザイン合成し、その効果をin vitro実験で確認した。次いでこのPIポリアミドを用いたラットでのin vivo実験に先立ち、FITCでラベルしたPIポリアミドをWistarラットに経口投与し、小腸細胞内への取り込みを蛍光顕微鏡を用いて検討したが、取り込みの確認に至らなかった。そのため、麻酔下で回復したラット小腸を結紮し、1.0×10-3 M , 0.1 mlのPIポリアミド溶液を直接注入して取り込みを検討したところ、小腸上皮細胞内へのFITCラベルポリアミドの取り込みが蛍光顕微鏡により確認された。経口投与でFITCラベルポリアミドの取り込みが確認できなかった原因はFITCポリアミドが胃酸により変性していた可能性があると考えられる。 ここまでの研究でPIポリアミドがラット小腸上皮細胞に取り込まれることが確認できたので、ラットに対する経口投与実験を行った。3週齢のWistar ラットを普通食で飼育し、2週間Sar1bPIポリアミドを7.5mg/kgにて隔日経口投与した(合計7回)。コントロールにはミスマッチPIポリアミドを7.5mg/kg隔日投与した。投与後の体重を比較すると、Sar1b PIポリアミド投与群で体重は低下傾向であった。又、投与後の血清中の脂質(T-chol、HDL-chol、TG)については有意な変化を認めなかった。投与後の上部、中部、下部小腸におけるSar1b mRNA発現をリアルタイムPCRにて比較した。空腸、回腸において、PIポリアミド投与群で有意にSar1b mRNAの発現低下を認めた。十二指腸においてもSAR1bの発現は低下傾向であった。 以上の結果より、Sar1b抑制PIポリアミドの投与により小腸上皮におけるSar1b発現抑制できることが確認された。
|
Research Products
(2 results)