2014 Fiscal Year Research-status Report
Gタンパク質共役受容体の細胞内・細胞間クロストークと疾患/制御
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25461382
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
飯利 太朗 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90313022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槙田 紀子 東京大学, 学内共同利用施設等, 助教 (60353455)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GPCR / RhoA / nitrosylation / 臓器障害 / クロストーク |
Outline of Annual Research Achievements |
1)Gs共役受容体シグナルクロストーク/脱感作と制御・局在可視化:①疾患モデル細胞として、線維芽細胞を用いて臓器障害シグナルであるRhoの抑制/ストレスファイバー形成の抑制とroundingで代表される形態変化と新規同定したRhoGDIαリン酸化との間に相関があることを確認した。②活性化したRhoAは、Aキナーゼによってリン酸化されたRhoGDIaとともに細胞内に局在することを確認した。③Gs共役受容体の脱感作と連動したシグナル分子の時間・空間的変化を可視化の基礎検討:脱感作とともに、受容体のリン酸化、アレスチン移行、受容体の内在化を観察した。④種々のNO供与体によるGRKのnitrosylationによる脱感作抑制の検討:(1)種々のNO供与体によるGs共役受容体脱感作抑制とGRKの化学修飾(nitrosylation)との相関を検討した。(2)nitrosylation作動薬剤の合成・スクリーニングを行い特異性と構造活性相関を検討した。 2)AT1をモデルとする臓器障害シグナルとメタボリックシンドロームモデルでの検討:①ダイマー形成部位とされる部位(Q315)の変異体を用いてマクロファージモデルでの臓器障害シグナルへの影響を検討した。②共培養系を用いた検討で、細胞間シグナルクロストークとこれへの影響を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)GPCRシグナルとクロストークについては、長年継続してきた研究の基盤を有する。(2)RhoGDIのリン酸化によるRhoAの抑制を確認したことが基盤となっている。(3)GRK2のnitrosylationによる脱感作機構について、使用する化合物のNOガス産生が問題であったが、NOを産生しない化合物の合成によりノイズのない実験が可能となった。また、構造活性相関の検討が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)Gq/G13共役受容体シグナルの制御のメカニズムのひとつとして、Gs共役受容体シグナルによる抑制的に作用するクロストークが存在する。その機序は長い間AキナーゼによるRhoAのリン酸化とGDIaによる捕捉であると考えられてきた。我々の検討の結果は、GDIのリン酸化がクロストークポイントであることを明らかにした。だが、RhoAのリン酸化も同時に存在するか、RhoAとRhoGDIのリン酸化が互いに影響するかについては明らかでない。今後、RhoAのリン酸化が生じる条件とシグナルへの影響の有無を検討することが重要である。 2)nitrosylationを生じる化合物の構造活性相関を明らかにすることにより、さらにメカニズムへの示唆が得られることが期待される。
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