2014 Fiscal Year Research-status Report
悪性リンパ腫の治療分子標的となるmicroRNAの同定
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25461405
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田川 博之 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30373492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 直人 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80344753)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | miRNA / SAHA / miR-16 / CTCL / リンパ腫 / miR-150 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、皮膚浸潤性T細胞リンパ腫においてmiRNAの解析から、miR-150が他臓器浸潤に関わること、miR-16がセネッセンスやアポトーシスを誘導することを今回明らかにした。miR-16はp53が機能的に発現している場合はp21の発現を上昇させる。また、miR-16はBmi1の発現を抑制し、Bmi1はp21の発現を抑制することを明らかにした。つまりmiR-16はBmi1を介してp21を制御する。p53が機能しない場合は、miR-16はアポトーシスを誘導する。この場合はmiR-16はBmi1を介して抗アポトーシス因子であるSurvivinを制御する。また、CTCLで使用されるヒストン脱メチル化酵素阻害剤であるSAHA(vorinostat)はmiR-16やmiR-150の標的分子の発現を元に戻す効果を持つことを明らかにした。また、その効果は、CTCLだけでなく、すべてのリンパ腫でみられた。また、SAHAはmiR-16と全く同様な効果をもたらす。つまり、p53発現している細胞株に対してはp21の発現上昇を、p53が発現していない細胞株ではsurvivinの発現低下をBmi1を介してもたらす。このことによりSAHAはCTCLだけでなく他のリンパ腫にも適応が広げられると考えられる。現在、CTCLを発症するNOGマウスを用いてこれらのmiRNAを経尾静脈経由で投与し、miRNAの治療効果を検証する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NOGマウスの実験に着手するなど本来の計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
miR-16のセネッセンス誘導効果は、他のがんにも共通で生じている可能性がある。したがって、固形癌や骨髄腫などでのセネッセンス誘導能の検証などを今後行っていく。
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