2015 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限による造血幹細胞動態制御の分子基盤の解析
Project/Area Number |
25461411
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田所 優子 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (00447343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幹細胞 / カロリー制限 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、造血幹細胞を含む複数の組織幹細胞において、個体レベルでのカロリー摂取量がその動態に大きな影響を及ぼすことが判明し、新たな幹細胞制御機構として注目されている。本研究課題では造血幹細胞をモデル系として、カロリー摂取制限がいかに幹細胞の自己複製や分化に影響を与えるのか、またそれが幹細胞に直接作用しているのか或いはニッチ細胞を介しているのかを明らかにし、その分子機構の解明を目的としている。 平成25年度はカロリー制限の造血幹細胞に及ぼす影響を調べるために、野生型マウス造血幹細胞における絶食の影響を解析した結果、造血幹細胞の増加傾向が観察された。さらにX線照射によるダメージの影響を調べたが、絶食の効果による優位性は見られなかった。これらの結果より、カロリー制限の造血幹細胞に直接及ぼす影響と分子機構を調べるために、AMPKα1α2欠損造血幹細胞の維持・増殖・分化におけるカロリー摂取制限の影響について解析を行った。その結果、食餌制限無しのコントロールと比較してどちらの欠損細胞も優位な差は観察されなかった。 平成26年度は、絶食を繰り返したマウスの造血幹細胞はケモセラピー(化学療法)に対して耐性を示すという報告を検証するために、野生型マウス造血幹細胞を用いて絶食を繰り返したマウス造血幹細胞におけるケモセラピーに対する効果について解析を行った。その結果、食餌制限無しのコントロールと比較して絶食を繰り返したマウスの造血幹細胞ではシクロホスファミド投与に対する耐性について優位な差は観察されなかった。 平成27年度は、FoxO3a欠損造血幹細胞の維持・増殖・分化におけるカロリー摂取制限の影響について検討を行った。絶食を繰り返したマウス造血幹細胞の機能を競合的移植法により解析を行った結果、食餌制限無しのコントロールおよび食餌制限を行った野生型マウス造血幹細胞と比較して優位な差は観察されなかった。
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Research Products
(5 results)