2014 Fiscal Year Research-status Report
ナローバンドUVBによる制御性T細胞の誘導を介したGVHDに対する新規治療の開発
Project/Area Number |
25461429
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 勉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40404602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井山 諭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50398319)
河野 豊 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80398320)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GVHD / NB-UVB / Treg |
Outline of Annual Research Achievements |
●移植片へのNB-UVB照射によるGVHD予防効果 ドナーのメスC57BL/6マウスから大腿骨、脛骨および脾臓を摘出した。大腿骨と頸骨はその骨端を切離し、一端から注射針を用いて細胞培養液を骨髄腔へ注入することで骨髄細胞を放出させた。脾臓は細切することで細胞を遊離させ、組織片はフィルターで分離した。骨髄細胞と脾細胞の比を2:1で混合して1×108個/50 mLに調整し、これに対して0、500、1,000、1,500 mJ/cm2のNB-UVB照射を行った。照射後1×108個/ mLに調整し、これの0.2 mLをTBI終了後のレシピエントマウス尾静脈へ投与した。レシピエントのメスBALB/cマウスには総量8グレイのTBIを移植前処置として行った。移植の1週間前から2週間後まで、250 mg/Lのエリスロマイシンと320 mg/Lのゲンタマイシンを飲水に混合して投与した。移植の翌日からは、15 mg/kg/dayのCsAを腹腔内へ投与した。移植後、マウスの生死は連日で確認した。臨床的なGVHDの検討は週に2回行った。皮膚、肝臓、腸管については組織学的な検討も行った。更に、末梢血ではTregの解析を行った。移植の1週間後から週1回の採血を行い、フローサイトメトリー法でCD4+CD25+FoxP3+のT細胞を分画して半定量した。その結果、移植片へのNB-UVB照射は骨髄の生着を遅延させず、GVHDの発症を予防した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に達成すべきと計画した内容はほぼ完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
●自主臨床研究: GVHDに対しNB-UVB照射を初期治療で用いる際の効果 上記動物実験の結果を得て、NB-UVB照射をGVHDに対する初期治療として行った際の効果を自主臨床研究で検討する。対象は、同種造血幹細胞移植を行った後、Grade I以上の皮膚GVHD、Grade II以上の肝GVHD、もしくはGrade II以上の消化管GVHDを発症した患者とする。Grade II以上のGVHDに対する標準的な初期治療は副腎皮質ステロイド剤であるが、本試験ではまずNB-UVB療法を行う。照射にはキャビン型全身用NB-UVB照射装置UV7001B-TL01(Waldmann社製)を用い、400-500 mJ/cm2から開始して、10-20%ずつ増量し、最小紅斑量(minimal erythema dose : MED)で維持する。照射は週に3回までとし、総照射量は8,000 mJ/cm2までとする。照射開始後、GVHDに増悪があれば、ただちに副腎皮質ステロイド剤などを併用する。効果判定は日本造血細胞移植学会のGVHDの診断と治療に関するガイドラインに従い、照射終了時に行う。有害事象の重症度は、CTCAE v4.0日本語訳JCOG/JSCO版に準じて評価する。プライマリーエンドポイントは奏功率とし、セカンダリーエンドポイントは有害事象発現率とする。予定登録数は30例、登録期間は24ヶ月とする。また、治療効果とTregの推移を比較する。
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Research Products
(2 results)