2013 Fiscal Year Research-status Report
末梢性T細胞リンパ腫の新規分子標的遺伝子探索 ~初発・再発例の全エクソーム解析~
Project/Area Number |
25461441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
根津 雅彦 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (90322461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 竹春 独立行政法人国立がん研究センター, 生物統計部門, 部門長 (00325466)
土原 一哉 独立行政法人国立がん研究センター, 早期・探索臨床研究センター, 分野長 (00415514)
伊藤 國明 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (10143281)
塚崎 邦弘 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (40274659)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 全エクソーム解析 / T細胞腫瘍 |
Research Abstract |
病理組織学的に診断が確定し、かつDNA抽出のための正常組織サンプリングを含む本研究への参加に同意を得た末梢性T細胞リンパ腫症例のうち、生検残余検体から解析に十分量の腫瘍組織DNAおよび末梢血単核球DNAが抽出可能である4例を選定した。次に最適化されたDNA抽出キット(QIAamp DNA Mini Kit(キアゲン)等)を用いて5 μgを目標にゲノムDNAを抽出した。末梢血単核球DNAは当院バイオバンクより分与された。蛋白質コード領域の変異検出のため、ゲノムDNA よりターゲットキャプチャー法によって全エクソン領域を濃縮し、Illumina HiSeq2000等を用いて平均50以上のカバレッジを目標に超並列シークエンスを行った。 全エクソンシーケンスで明らかになった体細胞突然変異(一塩基置換、挿入・欠失変異)、遺伝子増幅、LOH(Loss of Heterozygosity)について、種々の解析ソフトやWebデータベースを駆使し、既知の細胞内シグナル経路へのマッピングや遺伝子産物のもつ機能ドメインによる分類を行った。最終的に、末梢性T細胞リンパ腫の分子病態に関与している可能性の高い変異遺伝子、合計181遺伝子を同定した。なお、この中には既知の変異遺伝子も含まれることから、解析方法として妥当であることが示された。181遺伝子の中で2症例以上において変異が見られた遺伝子は、既知のTET2を含め合計で4遺伝子であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画書の1年目の計画内容にほぼ沿って進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね申請時の研究計画書の2年目の計画内容に沿って研究を更に進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析対象疾患を一病型にしぼったため、全エクソーム解析数が合計8サンプルとなった。そのため、物品費が予定額より減じることととなった。 疾患原因候補遺伝子について多数例での変異解析を行う際、その遺伝子に生物学的に深く関係すると思われる遺伝子を多く対象とするために、キャプチャーシークエンス法をもちいた解析を計画している。繰越金は多くはこの経費に充てる予定である。
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