2015 Fiscal Year Annual Research Report
後天性von Willebrand症候群(AvWS)の動物モデルによる病態解明
Project/Area Number |
25461445
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松下 正 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30314008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 享典 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70444403)
鈴木 伸明 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70637686)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | von Willebrand因子 / von Willebrand病 / AvWS / 血友病 |
Outline of Annual Research Achievements |
後天性フォン・ヴィレブランド症候群(Acquired von Willebrand Syndrome;以下AvWS)は類例のない出血症状・発症パターンを呈する近年確立されつつある新たな疾患概念である。本研究ではVWD・AvWSのモデルマウスを検討し、AvWSにおける免疫学的発症機序、流体力学的な発症機序(大動脈弁狭窄症(AS)発症)の病態の解明と、単なる補充療法を超えた最適な治療法の開発を目指した。 本症候群の臨床症状としては先天性von Willebrand病(以下VWD)との類似点が多く、本研究のおいては先天性VWDマウスにおける表現型との比較も考慮に入れて解析を行った。 インヒビターを保有する先天性VWDのtype 3症例(VWF完全欠損例)においてだけではなく、インヒビター力価の高いAvWS症例ではDDAVPやVWF濃縮製剤が有効でなく、出血コントロールに難渋する。このような治療抵抗性のAvWSには活性型第VII因子製剤の有用性も報告されており、我々も治療経過中に抗VWFインヒビターを発生したvWD(Type3)患者におけるrFVIIaの有効性を検討した。rFVIIaは外因系凝固のイニシエーターであり、内因系凝固障害をバイパスさせるが、血小板無力症などの一次止血異常症にも欧州と我が国で認可された治療方法となっている。rFVIIaは活性化血小板上の第X因子を活性化することから、血小板を中心とした一次止血機構に一定の寄与をしているものと考えられる。このようなVWD、AvWSにおいて活性型第Ⅶ因子を投与した際の、トロンビン生成試験(TGT)、ROTEM (Rotation thromboelastgram)の各パラメーターの変化と出血傾向を観察し、特にAvWSに対するrFVIIaを用いた治療の有効性を評価することができた。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Endoscopic treatment of esophageal varices in hemophiliac patients with liver cirrhosis.2015
Author(s)
Ishizu Y, Ishigami M, Suzuki N, Kuzuya T, Honda T, Hayashi K, Katano Y, Hirooka Y, Ishikawa T, Matsushita T, Goto H.
-
Journal Title
Gastrointest Endosc.
Volume: 81(4)
Pages: 1059-60
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] The International Immune Tolerance Induction Study and its follow-up study on Japanese hemophilia A patients with inhibitors.2015
Author(s)
Yoshioka A, Ishii E, Ueno T, Usami I, Kobayashi M, Kobayashi R, Sotomatsu M, Shirahata A, Suzuki T, Taki M, Ishida Y, Matsushita T, Shima M, Nogami K, Sakai M, Kigasawa H, Fukutake K.
-
Journal Title
Int J Hematol
Volume: 101(4)
Pages: 362-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
[Presentation] 全血凝固分析装置ROTEMの基礎的検討2015
Author(s)
亀山 なつみ, 鈴木 伸明, 高津 真由美, 山本 ゆか子, 前田 奈弥, 杉浦 由姫乃, 鈴木 敦夫, 梶浦 容子, 松本 祐之, 松下 正
Organizer
第16回日本検査血液学会学術集会
Place of Presentation
名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
Year and Date
2015-07-11 – 2015-07-12
-
-
-
[Presentation] 新規変異を有するMYH9異常症の1例2015
Author(s)
兼松 毅, 鈴木 伸明, 小川 実加, 岸本 磨由子, 國島 伸治, 松下 正
Organizer
第37回日本血栓止血学会学術集会
Place of Presentation
甲府市総合市民会館(山梨県甲府市)
Year and Date
2015-05-21 – 2015-05-23
-
[Presentation] 血小板無力症に同定されたGPIIb遺伝子のミスセンス変異とスプライス変異の複合ヘテロ変異解析2015
Author(s)
橋本 恵梨華, 村田 萌, 槇山 愛弓, 河村 奈美, 小塚 敏弘, 中田 悠紀子, 長谷部 暸, 高木 夕希, 水谷 直貴, 高木 明, 國島 伸治, 松下 正, 小嶋 哲人
Organizer
第37回日本血栓止血学会学術集会
Place of Presentation
甲府市総合市民会館(山梨県甲府市)
Year and Date
2015-05-21 – 2015-05-23
-
-
[Presentation] プロトロンビン変異による新たなアンチトロンビン抵抗性変異の候補解析2015
Author(s)
村田 萌, 水谷 直貴, 高木 夕希, 長谷部 瞭, 小塚 敏弘, 中田 悠紀子, 槇山 愛弓, 河村 奈美, 橋本 恵梨華, 高木 明, 松下 正, 小嶋 哲人
Organizer
第37回日本血栓止血学会学術集会
Place of Presentation
甲府市総合市民会館(山梨県甲府市)
Year and Date
2015-05-21 – 2015-05-23
-