• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

ヒトリンパ球系分化の包括的解析と骨髄リンパ球ニッチの役割の解明

Research Project

Project/Area Number 25461447
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

大石 晃嗣  三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00397506)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 俵 功  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80378380)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsリンパ球系細胞分化 / SDF-1 / ストローマ細胞
Outline of Annual Research Achievements

SDF-1が、ヒト造血前駆細胞からのリンパ球系細胞への分化にどのような役割を持っているかを、hTERT遺伝子挿入不死化ストローマ細胞を用いて検討した。CD34+lin-CD45RA-CD38lo造血前駆細胞を21日間、SCF, Flt3L, TPO存在下で、ストローマ細胞上で、あるいはストローマ細胞の培養上清を用いて培養した。不死化ストローマ細胞から産生されるSDF-1の作用を抑制するために、抗CXCR4受容体ブロッキング抗体を添加した。培養上清を用いた培養へのCXCR4抗体の添加は、造血前駆細胞からのCD7+CD45RA+T/NKリンパ球系前駆細胞の生成には余り影響を与えなかったが、CD10+CD19+CD45RA+Bリンパ球系細胞への分化を強く抑制した。一方ストローマ細胞との共培養への抗CXCR4抗体の添加は、CD10+CD19+CD45RA+細胞のみならず、CD7+CD45RA+T/NKリンパ球系への分化を強く抑制した。CD14+単球系細胞の生成には明らかな影響はみられなかった。次に、CD34+lin-CD45RA-CD38lo細胞を14日間培養上清で培養して得られたCD7+CD45RA+細胞をストローマ細胞上で培養し抗CXCR4抗体の作用を検討した。抗体非存在下では、CD7+CD45RA+細胞数は培養10日まで著変なく、CD10+CD45RA+Bリンパ球系細胞数が培養10日後まで増加した。一方、抗CXCR4抗体存在下では、CD10+CD45RA+細胞の生成は抑制され、CD7+CD45RA+細胞数も漸減し培養10日後にはCD45RA+CD14-細胞はほとんど消失した。
これらのデータは、SDF-1は造血前駆細胞からCD19+Bリンパ球系前駆細胞への分化とって、ストローマ細胞の有無にかかわらず重要な分化因子であること、T/NKリンパ球系リンパ球の分化に関しては、ストローマ細胞上での生存・分化には必須であるものの、ストローマ細胞非存在下での分化には重要でないことを示唆している。このように、SDF-1はヒト初期BおよびT/NKリンパ球系細胞分化を異なる機序で制御していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、ヒト初期リンパ球系細胞分化におけるストローマ細胞の役割を明らかにすることである。すでに、ストローマ細胞とのLFA-1を介した接着が、ヒト造血前駆細胞からT/NKリンパ球系細胞への分化に必須であることを明らかにしている。
今回、ストローマ細胞が産生するSDF-1に注目し、SDF-1が造血前駆細胞からCD19+Bリンパ球系細への分化にとって、ストローマ細胞の有無に関わらず重要であるとともに、ストローマ細胞上でのT/NKリンパ球系細胞分化の生存・分化に必須であるという知見が得られつつある。
このように、ヒトリンパ球系細胞の分化におけるストローマ細胞の役割が次第に明らかになりつつある。

Strategy for Future Research Activity

1. 抗CXCR4抗体によるSDF-1の阻害は、ストローマ細胞上での造血前駆細胞からのCD7+CD45RA+細胞の生成やCD7+CD45RA+細胞の生存・分化を抑制するものの、培養上清ではあまり影響がみられない。そこで、1) CD7+CD45RA+細胞をストローマ細胞上あるいは培養上清を用いて培養し、抗CXCR4抗体添加後の変化を経時的に解析することにより、ストローマ細胞の有無による抗CXCR4抗体のCD7+CD45RA+細胞の生存・分化・増殖への作用の違いをより詳細に明らかにする。2) CD7+CD45RA+細胞をストローマ細胞上で培養した場合、抗CXCR4抗体添加によりCD7+CD45RA+細胞は漸減し消失する。CD7+CD45RA+細胞が死滅しているのか、あるいはリンパ球系細胞への分化は抑制されているもののCD14+細胞に分化しているのかを明らかにするため、CD7+CD45RA+細胞をCFSEやCytoTELLにて染色した後に培養し、細胞分裂回数とCD14やCD7の発現との関係を解析する。
2. 以上の観察を遺伝子学的に明らかにするために、ストローマ細胞上あるいは培養上清でCD34+lin-細胞あるいはCD7+CD45RA+細胞を培養し抗CXCR4抗体を添加することにより、B・T/NKりンパ球系および単球系細胞分化に重要なGATA-3 PAX5 OU.1などの転写因子の遺伝子発現の変化を解析する。

3. これまでの実験で、ストローマ細胞上での造血前駆細胞からのCD7+CD45RA+T/NKリンパ球系細胞の生成には、LFA-1を介したストローマ細胞との接着とSDF-1の作用が重要であるという知見が得られている。この二つの事象が関連しているのか、あるいは独立した別々の事象かを明らかにする。すなわち、SDF-1が、LFA-1の活性化を介してT/NKリンパ球系細胞分化を支持しているか、あるいはCXCR4抗体添加により活性化LFA-1の発現が低下しているかを、活性化LFA-1に対する抗体を用いて明らかにする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Important role for LFA-1 in early stage of human T lymphopoiesis2014

    • Author(s)
      Minami F, Ohishi K, Nakamori Y, Masuya M, Katayama N
    • Organizer
      日本血液学会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場
    • Year and Date
      2014-10-31 – 2014-11-02

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi