2015 Fiscal Year Research-status Report
造血幹細胞移植時における消化管機能の客観的評価のためのバイオマーカーの確立
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25461454
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
福島 伯泰 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20346894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 寧 佐賀大学, 医学部, 講師 (60570413)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 造血幹細胞移植 / 腸管粘膜損傷 / diamine oxidase / シトルリン |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞移植時は種々の有害事象が生じる。特に消化器関連有害事象の発症は移植の成否を左右し、その評価・コントロールは重要である。本研究では簡便かつ非侵襲的な方法で消化管機能・損傷程度を把握するバイオマーカーを検討し、その中でも血清diamine oxidase、血漿シトルリン濃度の経時的なモニタリングによる解析をおこなった。両者はともに小腸粘膜内で活性あるいは産生が主に行われている物質である。ともに移植前処置後より血中濃度が低下し、移植形態に依存して最低血中濃度の時期が異なっていた。また血中濃度の回復のパターンに違いを示しており、血清diamine oxidaseは血漿シトルリンに比し回復が早い傾向をしめした。それぞれのマーカーはCRP濃度に逆相関を示し、炎症の程度に応じて濃度が低下する可能性が示唆された。 それぞれのマーカーは造血幹細胞移植時における、非侵襲的に粘膜損傷を評価しうるツールになりうる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験およびデータ解析はほぼ終了しており、論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
造血幹細胞移植者を対象としたdiamine oxidaseおよびシトルインの経時的解析は一定の結果をえた。しかしながら臨床上の有用性については未だ不明確な点も残されており、更なる解析煮のためには症例数を増加し、subgroup解析を行う必要がある。また今後は他の癌腫に対する化学療法時の消化管粘膜機能の評価としてこれらのマーかが有用であるか検討する。
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Causes of Carryover |
実験に関する部分は概ね完了しているが、論文投稿、学会発表に際して次年度に使用する必要が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外英文雑誌の投稿のための校正費、投稿料、学会発表のための旅費等に使用する。
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Research Products
(3 results)