2013 Fiscal Year Research-status Report
健常人および血液疾患患者における免疫老化細胞Tsenの検討
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25461455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 裕子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80406941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浄 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00433714)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PD-1 / 免疫老化 / 人 |
Research Abstract |
マウスと同様に、健常人でも、PD-1+、CD4+, CD44+のフェノタイプを示す ”免疫老化細胞” Tsenが、加齢に伴って増加することが解った。Tsenは、固相化CD3, 28による刺激でも、PD-1陰性細胞と比較して、細胞増殖に乏しい。細胞培養上清での検討では、Tsenの、主たる産生サイトカインは、インターフェロンガンマ(IFN-gamma)であった。Tsenでは、培養後でも、増殖した細胞が著しく少ないにも関わらず、IFN-gammaの産生量は、PD-1陰性細胞と同様程度であった。PMA, IONO刺激後の、細胞内染色では、免疫老化細胞の大部分が、IFN-gamma, IL-2を産生していた。マウスでのTsenでは、オステオポンチンの産生が大量に認められたが、人Tsenでは、この所見は明らかではない。マウスTsenでのマイクロアレイの結果をふまえた、人TsenでのqRT-PCR の結果でも、cebpa, sostdc1,spp1などが高く、細胞増殖に関わるc-mycなどは低かった。今後は、老化などに関わる分子に関して、miRNAマイクロアレイでの検討を予定している。 また、Tsenは、単一集団ではない。特に、ケモカインレセプターの発現パターンからは、Th-1様細胞を主に、Th-2、Th17などの、混合した細胞群である事が解った。リンパ系細胞の主たる転写因子の検討では、通常のTh1とは異なった転写因子が主になっていて、これが、免疫老化細胞のサイトカインやPD-1の発現を調節する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常人での加齢による免疫老化細胞の増加およびその性質を明らかにしてきた。これらの結果をふまえ、血液疾患での、 Tsenについて、明らかにしていく予定である。この研究に関しては、福島医大倫理委員会で審査中であり、近々開始予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)今までに健常人で明らかにしてきたTsenの増加に関して、miRNAマイクロアレイを用いて、老化や発ガンに関係するmiRNAの網羅的解析を行う予定。 2)また、今年明らかにした、Tsenの増加と関連して発現が増加した転写因子に関して、これを強制発現させた培養細胞を用いて、Tsenの発現機序や、機能などを、更に明らかにしていく。 2)血液疾患での、Tsenの役割(病勢と関係するか、予後と関係するかなど)を、明らかにしていく予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)消耗品を割引価格で購入し、当初見込みより、かなり安く仕上げた。 2)マイクロアレイを、血液疾患と、健常人と同時に行うことにしたため、その分の経費を、次年度に残した。 マイクロアレイの実施のために用いる。
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